キャラクター紹介

Last-modified: 2018-03-12 (月) 17:41:22

今作の各勢力とメインキャラクター達の紹介。
情報の出展は主に限定版の設定資料集と、ゲーム中の会話システムより。
キャラの名前の前にあるキャッチコピーは、公式サイトや限定版の設定資料集にあるもの。

本ページはネタバレ全開なので、その点には充分にお気をつけ下さい。
追記・訂正等ご自由に。コメント欄も必要に応じてお使い下さい。

※アイコンは海外版公式サイトから借用しました。
http://aksysgames.com/langrisser/special/[外部リンク]


 

以下の特集ページと併せて読んで頂くと便利です。


目次

 

自警団

臨海都市「ボルスレーヌ」の自営組織。そこそこの規模があったようだが、
ゲーム中に主人公アレス達以外の団員は、傭兵を除いて登場しない。
自警団という名前は『ラング2』と『デア』にも存在する。リデルとエヴァンセという名前有りの脇役男女がステージ1の街のNPCとして参戦していた。作品内でそれとの関連があるのかは不明だが、旧作のワードを散りばめている今作のこと、ほぼ名前だけの登場だった自警団という組織をクローズアップしようとしたのかもしれない。

ボルスレーヌは帝国と同盟を結んでいる一方、都市内には密かに光輝の軍勢の同志も潜伏している。
設定資料集によると、ボルスレーヌ領主は光輝の軍勢を束ねるルシリス教団とも良好な付き合いがあるようで、実質、帝国と光輝の両方に通じているという際どい立ち位置にある。
オープニングでは帝国の同盟国呼ばわりもされるが、どの国の都市なのか、国の名前は何なのかは結局不明のまま。

また、臨海都市であるからか、世界規模で起きている海面上昇の被害をモロに受けており、すぐ近くにある別の都市(設定資料集によると「洪水に取り残された街ユーシェス」)はほぼ完全に水没してしまっている。
冒頭でも話題に上るのは水位関連の話が多く、ボルスレーヌでは大きな問題の一つと思われる。
…と、色々な設定はあるのだが、物語最初の舞台なのに登場は1ステージきりで壊滅し、海面上昇の件も以後ほとんど出てこなかったりと、ボルスレーヌ関連の話題が忘れ去られていくので切ない。

ちなみにラングリッサーシリーズにおいて、ステージ1で故郷や祖国が壊滅すること自体はわりとよくあることだったりする。冷静に考えると酷い話だな。
ただの地方都市が黒幕から攻撃を受けて滅び、主人公の妹までさらわれているあたり、特に『ラング4』に通じる要素が多い。

とりあえずエルマとの会話イベントによると、エルマ父との手紙のやり取りからして順調に復興、領主も無事だったことがわかる。また、アレスが戦後は故郷に戻ろうかという考えが浮かぶことから、水位の問題はあれどそれほど深刻な規模ではないのかもしれない。

ゲーム冒頭で帝国により攻め込まれいきなり都市は半壊し、自警団としての機能も事実上失ってしまう。
一方で、どのルートでも固定の仲間4人は全員が元自警団員であり、切れない縁が続いて行くことになる。主人公の人望が伺える。また、主人公の妹リコリスもこの街で兄と暮らしていた時期があったようで、出番自体は少なくとも主人公たちにとっては思い出深い地であることは間違いない。

そしていかなる経緯によるものか、聖剣ラングリッサーそのものがこの都市の教会に安置されていた。
1章での光輝軍の会話によると、情報自体は伝わっていたものの眉唾物として扱われていたようだ。無理もない話だが、伝説の聖剣が最近まで大陸端っこの臨海都市で放置され続けていたとは何とも悲しい事態である。剣から潮の匂いがしていそう…
さらに当の教会の関係者は、どうも剣がラングリッサーだと認識はしていなかったような発言をしている。いろいろと杜撰ですね…。

実際、主人公アレスもすぐにはラングリッサーだと気付けなかったが、
「刀身が光る…? これは文字か? この文字…これは…この剣は…!」
という台詞のあと、まずは使用可能になるところまでは剣を復活させることに成功する。
しかし上記台詞から察するに、まさか刀身に『 ラ ン グ リ ッ サ ー 』と剣の名前が直に浮かんだのだろうか。詳細は不明だが、何とか聖剣だということはアレスに伝わったようである。

光輝13章や帝国23章ではボルスレーヌと破損箇所までも激似の街が登場するが、別の場所である。帝国23章のほうは地形だけ同じで破損はしていない。とはいえ、まったく同じ規格で作られた街が少なくとも世に三つはあることになる。

ゲームのオープニングでは、リコリスの口から「ポルストレーヌ」という大胆すぎる誤植をかまされている。焦って名前を言い間違えた…などということにしておきたいところだが、直前の台詞では間違えずにちゃんと「ボルスレーヌ」と言えているため説明が困難。どうしてくれよう。ひょっとして開発初期はこの名だったのだろうか…。
ポルストレーヌというのが国名で、ボルスレーヌがそこの都市だったりするのかもしれない。めちゃくちゃ紛らわしいが。
なお、海外版ではどちらもボルスレーヌとなっている。となると、上記の件はただの誤植だったようだ。

~ラングリッサーに選ばれた青年~ アレス・ロヴィナー

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■性別:男  ■年齢:19歳  ■初期クラス:キャラメイクに依存  ■声:森嶋秀太
■職業:地方領主見習い、自警団員

今作の主人公。「ひょんなことからラングリッサーを手にした」という迷言がオディロンとの1回目の会話で聞ける。オープニングでの必死の逃走からの反逆劇をひょんなことで片付けてしまう大物。
オープニングでは丸腰のまま帝国兵に追われていたようで「武器があれば…!」と発言するが、MAP上のドット(スプライト)では普通に武器を持っている。出だしからして色々と不安にさせられる。それはさておき、本当に死にかけていたというのにこの言い様なのである。大した奴だ……やはり光輝の末裔か。読みはこうきのほうかもしれないが。

最初期の宣伝資料では、何故かアレスの名前の後ろに1人だけ誕生日7月1日と、誕生日の記載があった。今も生きている設定なのかどうかは不明。

「ボルスレーヌ」の領主屋敷に、メイドのマイヤと一緒に居候している少年。
領主からは大層気に入られており、エルマとの4回目の会話でそのあたりのことが聞ける。最初期の宣伝資料だと、アレスが善政を敷いている、との情報もある。都市の統治についてもまだ見習いでありながら、一部で領主の代行をやらせてもらっているのだろう。

放浪軍ルートの終盤にて、元々帝国の人間であり、先代皇帝の血縁者であることが仲間の指摘によりあっさり判明する。
それならまだいい方で、闇ルートに行くとニセ皇帝自らが聞いてもいないのにアレスの出自をべらべらと喋る。台無しだ。
両親との死別、実妹であるリコリスとの生き別れなども、現皇帝が政変によって強引に地位をもぎ取ったことが影響しているようだが…アレス本人はそのことを殆ど自覚している様子が無い。ボルスレーヌへは、帝国から逃げる形でやって来たのだと思われる。
実際の所、闇の皇子ボーゼルの遠い血筋でもあり、ラングリッサーを扱える以上はどこかで光輝の血筋も入っていると思しき超ハイブリッド主人公。アルハザードですらデメリット無く扱えてしまえるというチート持ち。
アルハザードを全くデメリットなしで扱えた記録があるのは『ラング2』のエルウィンとベルンハルト、
『ラング4』の主人公ランディウス、『ラング5』の主人公であるシグマと敵のレインフォルスぐらいである。すごい。
アレスは設定だけならシリーズの強豪にも劣っていない。

とはいえグレスデン帝国初代皇帝の正体がよくわからないため
両方使えるのがクリムゾ人の血を引いているためなのか
同じく両方使えるエルウィンまたはベルンハルトの子孫なのかはどうもはっきりしない。
初代皇帝は、あのボーゼルの縁者なのだそうだが、その後帝国は4代目まで続いており、その間でどのような血筋が入ったのかは不明。アレスがアルハザードを使えるのはともかく、ラングリッサーすら装備出来るとなると相応の血は引いているはず。
何よりアレスは、帝国ルート25話でボーゼルにはっきりと「光輝の末裔」と宣言される。
しかし誰の子孫か考えるための材料は足りない。
髪飾りがないのとジェシカ様の反応からエルスリード王家の末裔ではなさそうだが。
小説版『2』ではベルンハルトに妻も子供もいない事が明らかになっている。だとするとやはりエルウィンとリアナの子孫なのだろうか。
別の見方として、アレスは銀髪(白髪)なので、もしかするとシェリー方面のカルザス系の遠戚なのかもしれない。カルザス関係者ならばボーゼル目線では光輝の末裔とも言い表せそうだがどうだろうか。

ちなみにラングリッサーには愛着でもあるのか、闇ルートに進みジェシカから剣の返却を求められようと「皆を守るのに必要だから」ときっぱり断っている。そのせいで光輝軍との対立が決定的になってしまうのだが、伊達にラングリッサーに選ばれてはいない。ピンチになるとアルハザードをぶん投げる誰かさんとは大違いである。
なお、帝国ルート8章では律儀にジェシカに剣を返却しようとするが、逆にジェシカのほうがそれを断りアレスに持っているよう促す。ルートによって対応が変わるのは誰かさんに限った話では無かった。

アレスの性格は、典型的なギャルゲーの男主人公じみている。誰とでも打ち解けることができ、これといって強烈な台詞は発しないが、特定の人物にヘイトを向けたりもしないので良い塩梅での地味さがある。

シリーズの伝統として、今作も主人公である彼が撤退すると即ゲームオーバーだが、どこで撤退しようと台詞やイベントは無いのが悲しい。アレスを全く使わなくてもゲームはクリアできるが、全ステージにおいて強制出撃扱いで、迂闊なゲームオーバーを避けたいなら素直に育てておいた方が安全。
戦闘をより楽にしたいなら、最初のキャラメイクで「ヒール」だけは忘れずに覚えておきたい。それと「軽業」「移動力+1」があればより快適。

余談だが、唯一公式の立絵が正面向きと斜め向きの、計2パターン存在する人物でもある。
…といっても、正面向きのほうの立絵はゲーム内には採用されていない。
製品パッケージの裏面には使われている。顔の雰囲気がけっこう違って見える。後日発売されたサントラでも正面向きが採用された。

~アレスを支える敏腕メイド~ マイヤ・クラフツォフ

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■性別:女  ■年齢:24歳  ■初期クラス:コンジュラー(魔術師)  ■声:内山夕実
■職業:ロヴィナー家のメイド

アレスに付き添い続ける謎のメイド。ロナ曰くかっこよくて憧れの人。好きな男性を聞いているのにマイヤの名前が挙がるくらいに。
限定版の設定資料集では、「ロヴィナー家のメイド」と紹介されている。しかしアレス当人は居候の身で、しかも天涯孤独(リコリスが見つかるまでは)であり、いっそ「アレスのメイド」と表現したほうが自然かもしれない。…曲解されそうですか、そうですか。

メイドであることに誇りを持ち、文武両道どころか魔術の道にさえ精通している。「メイドですから」という台詞をときおり使う。まったくもって魔法の言葉である。
同じ時期に発売された『FEif』でも主人公に付き従うメイドがいるため設定被りがつらい。幸いなことにキャラとしては中の人の好演もあって差別化できている。
キャラ紹介の序列は、アレスの次、全キャラ中二番目である。本編ではそれほど見せ場があるというわけでもない……が、いわゆる魔法戦士系のステータスで纏まっており、初登場の時点でも気軽に殴りにいくことが可能。ゲーム序盤ではエルマと一緒に最速クラスで敵陣へ切り込んで行ける。女子二人に確定で先制されるため、自警団の男団員(アレスとアンセル)は出番を奪われがちである。
キャラメイクでアレスを僧侶にし、そこから行動順を上げることでようやく二人に先制できる。

今作の最初のうちは、魔法の威力にがっかりさせられる。マイヤについても直接殴ったほうがずっと強い。
なお彼女の物理攻撃力は、未覚醒とはいえラングリッサー装備のアレスにも見劣りしないので、ラングリッサーとご奉仕の威力が大体釣り合っているということになる。
この図式のせいで、ラングリッサーは凄い代物だというイメージがいきなり薄れてしまうのだが……マイヤはメイドですから。深く考えないほうが良いでしょう。

中の人はその昔『戦勇。』という漫画原作のアニメにて、「アレス」という名前の女勇者かつ正体がメイド長というキャラを演じていたこともあった。なんとなく狙ったような配役が他にもあるので偶然ではないのかもしれない。

なおシュゼットさんと同じく酒が好きでも酒に弱い。会話内では一回酔っ払ってしまうこともある。
部下がいる立場ではないのでヴェルナー将軍も目をつぶってくれるだろう。多分。

マイヤはかなり博識であり、その件についてアレスからツッコミを受けるたび、「実は私は○○○…」という体で珍妙なでまかせをよく使う。パターンも豊富なためプレイヤーを飽きさせない。即興ですらすら喋り出すうえに説明がくどめで笑える。よほどしつこく会話を続けないと本当のことは一切教えてくれない。
アンセルとの5回目の会話によると、ある日突然アレスのもとに押しかけてきたようだ。テンプレ過ぎる展開に、アンセル自身もツッコミを入れていた。
限定版のパッケージ裏を参照する限り、アレスやアンセルよりも長身。きっとパーティの中でもかなりの存在感を放っていると思われる。

その正体は、帝国の関係者。生まれ自体は帝国ではないが、アレスの出自についても最初から熟知している。
また、帝国で父親のような人を失ったらしく、恐らくはその人物はマイヤが仕えていたアレスの父と思われる。ルートによっては皇帝との戦闘前にそれっぽいことを匂わす。
マイヤの詳細を知りたい場合は、17回目の会話で選択肢を間違えないようにしよう。
また22回目の会話によるとマイヤの故郷は一族の者以外は入れない隠された場所にあるらしく、
実家から送られてくる謎の物体の数々やツバメとの会話でハゴイタも実家が送ってきていたこと、
またマイヤ自身も忍びを知ることからマイヤの故郷も忍者のゆかりの地なのかもしれない。

告白スキルは「精神集中」。グスタフと同じである。
覚えてしまえばアレスが治療無しで永久機関セルフヒールで経験値が稼げる。
しかし残念ながらマイヤ自身はハイプリエステスまで育てないと回復魔法は使用できない。
序盤でウォーロックにしてさっさとファイヤーストームを習得し、トルネードまで持って行って人間扇風機になるほうが無難。
バンパイアロードを呼べないので、アゲインし放題は無理、アークメイジにもなれないので半永久メテオとも行かないものの、削りに徹する分にはかなり有用なスキル。

ちなみに初期クラスがコンジュラーである点もグスタフと同じ。
他にコンジュラーになれるキャラクターは居らず、最初から闇軍のダークエルフを傭兵として雇えたりと、初プレイでは分からないが闇軍の人かとミスリードさせる要素だったのかもしれない。
本人は帝国の関係者であったのに、闇軍かどうかのミスリードを持たせた理由は不明。
マイヤの戦闘中ボイスではカットイン発生時に「メイドの力!」などと叫んだりもするが、
メイド→冥土とくれば闇とか、そういう着想なのだろうか…?
余談だが、カットインでは歯を見せて魔女のような形相で笑っており恐い。
普段の下画面の口半開き表情からは想像もつかない。

~アレスの良き幼馴染~ エルマ・ミンスター

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■性別:女  ■年齢:18歳  ■初期クラス:クレリック(僧侶)  ■声:上坂すみれ
■職業:ルシリス教教会神官補助

4章での「ルシリス様に代わってぇぇ…!」というパートボイスが印象的なアレスの幼馴染み。以降は目立つ言動も無く、完全に地味娘に落ち着いてしまう。決め台詞っぽいがイベントではほぼ使われておらず、何気に戦闘アニメのカットイン発生時のボイスとして使われている。カットインでは目を閉じており、絵のほうもかっこいいが果たして何人がこれを見れたことやら…。

エルマは、ラングリッサーのあった教会の看板娘であり、彼女の父はそこの司祭。
ミンスターという名前だけにみんなのスター…いえ、何でもありません。
アレスがボルスレーヌに移り住んでからの幼馴染みだと思われ、アンセル同様にリコリスとも面識がある。
熱心な聖職者ではあるが、言動等はギャルゲーの幼馴染みキャラそのもの。設定資料集によると将来はアレスと結ばれるものと思っている模様。ライバル多過ぎだが大丈夫だろうか。
実際に告白するとずっと待ってたんだよ・・・と言い出す。自分から言い出さずに他のヒロインに主人公を取られるギャルゲーの幼馴染みキャラそのもの。
オープニングアニメの一コマではアレスと良い感じに見えるが……。
告白イベントのCGでは裸に布団を纏ってるだけ姿のキャラ。他にも何名かでそういう姿の描写があるが、それらの人物の中でもかなり艶かしい。急に本気出してきた。遅いよ。

うっかり撤退させるとスタッフロールでえらく後味の悪い結末が書かれる人物の一人。エルマに思い入れのある方はくれぐれも注意しよう。
アレス、アンセル、マイヤ、トワと比べると一人だけ一頭身以上も小さい。リコリスと同じくらいの身長である。

敵の女僧侶モブのドットは、エルマの色変え+αで済まされている。ものすごく局所的な所で旧作のあるあるを引きずっている。
戦闘面では、殴って良し、ヒールで無限稼ぎ可能とマイヤ以上に使い勝手が良い。自軍で一番早く動ける撲殺兵器に成り果てることもしばしば。色んな運用ができるので、クラスチェンジによる個性も活きやすいだろう。

特に、防御力の高さが頼もしい。傭兵のモンク共々、敵騎兵の突進にすらしっかり耐える。
とりあえず僧侶が最前線に立ち、受けたダメージを自分もろとも仲間と一緒にヒールし続けるのが縛りプレイ時の僧侶の姿となる。男共はその後ろで待ち構えるとちょうどいい。
縛ってると中盤、なんかもうエルマが強くて仕方ないんだけどこのゲーム。余裕があるなら一度このバランスにも触れてみて頂きたい。エルマさんマジ守護女神。まぁ固過ぎて彼女以外が爆散して孤立することもあるが…。

告白して覚えるスキルは、回復力をアップさせるという僧侶らしい、エルマ専用の「神術の素養」。
僧侶キャラが何人もいる中、少々意外である。僧侶として実は最も優秀なのかも。

育てていくならば5クラス目のプリンセスになるのを狙っていくのがいいが、
エルマは異常にクリティカルの発動率が低く、クリティカル実行時のボイスがまるで聴けない。
テンプルナイトにしてウェポンブレイカーを習得すればその悩みは解消されるが、プリンセスへの道は閉ざされてしまう。戦闘アニメなんて見ないからそんなスキルどうでもいい?そうですか…。

なお、プリンセス狙いなら2クラス目はビショップになっているはずだが、
新たに雇えるようになる傭兵のマリナーが地雷性能。こんなところをシリーズ踏襲されても困る。
ちなみにAT7・DF2となっており、モンクのAT6・DF6のほうが手堅く、よほど優秀。
縛りプレイをする際はマリナーとか秒殺されるので要注意。

~気のいいアレスの相棒~ アンセル・バラデュール

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■性別:男  ■年齢:20歳  ■初期クラス:ホースライダー(騎兵)  ■声:間島淳司
■職業:自警団長

アレスの親友にあたる人物。
設定資料集で「アンセルム」と誤植されている悲しいキャラ。
特集ページでも、『主人公の頼もしき相棒「アレス」』などと見出しに書かれたことがあった。アレスじゃねーから!やたらと誤植に縁がある。
さらに、自警団の中ではオープニングアニメでただ一人まったく出てこない。ジャックと店員ですら1カット出番が有るというのに!

「ボルスレーヌ」の自警団団長を務める男であり、トワからの評価は高い。繰り上がりで団長の地位に就いたようだが、自警団の各種運営から果ては帝国との交渉事と、幅広く活躍していたようだ。
アレス達がどのルートへ進もうと、どんな状況だろうと傭兵を雇えるのも、実はアンセルの交渉の賜物だということが11回目の会話で分かる。プレイヤーの「気付けない」ところで頑張っている正に縁の下の力持ち。褒めてもいいんだぜぇ?

そんなバックボーンを受けてか、彼から得られるスキル名も「交渉術」となっており、設定面からのキャラ付けはなかなか上手くできている。
アンセルとの会話からは作中の世界観を掴みやすく、「交渉術」目当てにホモぉ展開までいかずとも、せめて数回くらいは会話しておきたい。
残念ながら本編での出番はほとんどなく、闇ルートでリコリスとの再会時に熱弁をふるうのが一世一代の見せ場となっている。
または隠しシナリオでのプロテイン。

初期クラスは騎兵であり、今作のオリジナル仕様により序盤はターンが回って来るのが一番遅い。アンセルを活躍させたい場合は、エルマやマイヤで一回だけ攻撃した敵に、アンセルでとどめを刺すように使っていくといいだろう。行動順が遅く、意識して活躍させてあげないと後半からの立て直しは厳しい。
名前とは裏腹に、ヘビーナイト以降は行動順が徐々に上がっていく。それまでの辛抱。
効果がしっかり効いているかどうか怪しいが、アレスがキャラメイクでプロテクションを覚えているならなるべく使ってあげたい。騎兵というクラスの性格上仕方ないとはいえ、自警団のメンツでは最も防御力が低いのだ。いくら今作の難易度が低いとはいっても、序盤では看過できないほどの脆さがある。
逆に、序盤からずっと使い続けてやれば、後から加入する光輝ルートの騎兵ロザリア、闇ルートの騎兵ロナよりも強くなっているはず。ライバルは加入が早めである帝国ルートのヴェルナーか。あちらのほうが素のステータスでも勝るのできっついなぁ。

騎兵系のクラスを極めていくのが無難な使い方だが、カイエダ氏のイラストがほどよく再現されている槍兵系クラスの姿で戦うのも乙なもの。
アンセルもまた、撤退時の人物評(スタッフロール)内容が地味にシビア。死なせず手堅く活躍させたい場合にも、普段は後方支援に徹しボスキラー用の槍兵を選ぶのは悪くない。
光輝ルートや闇ルートではバイク騎兵部隊との戦闘も多く、クラスチェンジ次第ではゲーム最初の槍兵はアンセルにできる。

~伝説の放浪女軍師~ トワ

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■性別:女  ■年齢:不明  ■初期クラス:ホワイトナイト(飛兵)  ■声:沢城みゆき
■職業:放浪者、軍師

ファミリーネームを持たず、トワのみが名前で年齢も不明という褐色肌の女性。身長はアレスよりわずかに低い。
オープニングでは自警団の詰所に居るが、そこの背景がボルスレーヌ領主屋敷とまったく同じなせいで早くも混乱させられる。ただ単に素材の使い回しというだけだがオープニングからですかい。

トワの職は軍師であり、ボルスレーヌに流れ着くまでの間、様々な戦場で多大な成果を挙げてきたという。戦に参加すれば必勝と噂されるまでになったが、そこまで著名になるのは本人としては不本意だったらしい。
なおゲーム中、なに!?相手にはトワが居るのか!?といったような敵軍のうろたえ台詞は出てこない。本人が意識して鳴りを潜めている結果なのだろうか。既に過去の人扱いされていないことを祈りたい。
平時から常に軍人口調できびきびと話すが、戦闘中の被弾ボイスでは「やべっ!!」「いって!!」などと叫んでしまって自らカリスマブレイクを披露することもあり、アニメONにしといて貴重なもん見れたと思える数少ない機会となる。

近況ではボルスレーヌに居着いている。最初期の宣伝資料によると、ボルスレーヌ自警団と野盗との戦闘に助太刀したのがきっかけだったとのこと。そのまま自警団に色々と入れ知恵もした縁からボルスレーヌに身を置くことになったようだ。オープニングでは是非このあたりから描写して欲しかったところである。
ちなみに設定資料集では、自警団については「帝国の襲撃まで実戦の経験は無し」とされている。上述の野盗との戦闘の一件は製品版だと消えている設定なのだろうか。それとも規模的に実戦とはカウントしていないだけか。

ボルスレーヌに住んだ後はアレスの師匠役も買ってでていたが、そこで他の自警団員と同様、帝国の襲撃に巻き込まれることになる。参戦は3章、会話出来るのは4章になってから。よって会話イベント数が一つぶん他のメンバーに劣っているのが残念。
限定版の設定資料集での職業は、「放浪者、軍師」となっている。放浪者とは人物の状況を指すものであって職業ではないと思うが、せめて放浪軍師とかにはできなかったものか。なおゲーム中は加入後ずっと自軍に居てくれるので安心。

最初からいろいろと不明なだけでなく、実際に会話してみても謎が増えていくタイプのキャラ。
作中から分かる略歴は、

裕福な商家の娘として生まれる。
(出会った記憶がないらしいがこの時期にオディロンに会っているようだ)
 ┗乗っていた船が沈没。地図にも載っていない島に流され、記憶を失う。
  ┗その島で軍師としての知識を含む様々な知識を得る。
   ┗島を出て軍師として活躍する。
ということであるらしいが、旧作キャラとの関連は今のところ不明。

彼女との8回目の会話では、全く姿を見せない知的存在から多種多様なことを学んだと聞けるが、相手はもしやコンピューターか何かだったのだろうか?
7回目の会話ではラングリッサー旧作の関連話が聞け、
10回目の会話では帯刀している刀の名前が唐突に「コテツ」だと明かされたり、
(これは『ラング3』で霧風からディハルトが貰い受け、その後『ラング2』のレオンが使っていた刀である。
 このことからもこの作品は少なくとも『2』より時系列は後であることが推測される。)
彼女から聞かされる話は古参ファンだといろいろと心臓に悪いかもしれない。
ちなみにレオンよろしく、装備欄にコテツはでてこないので、実際に(ゲームのシステム的に)戦闘で使うのは別の武器になる。
コテツ絡みのイベントは本編では出てもこないので、単なるファンサービス要素に留まっている。
しかし意外なところで、トワをハイロードやジェネラルなどの歩兵クラスにすると、抜刀して攻撃しそのあとで納刀までするという専用の攻撃モーションを見ることができる。ちゃんとコテツ使ってた!例のあのモデルだけど!他のクラスに就いていると武器もそちらに準拠し、コテツを見ることもできない。

Amazon限定のクリアファイルでは、シュゼット・ヴェルナーと並びトワがプリントされている。……担当者、褐色推し過ぎ!
トワの初期クラスは飛兵、それもホワイトナイトとなっており、専用の白馬にまたがる。褐色肌との対比が余計に良い感じ。カイエダ氏のイラストでもその構図を見たかったところである。
愛馬の話題は15回目の会話で聞ける。クラスチェンジを続けていくと結局飛竜に乗り換えてしまうんだけどね……。
シリーズ恒例の「飛兵の女キャラ」であるが見た目も中身もだいぶ変えてきた感じである。黒髪ストレートで色黒というあたり、旧作のポニテ組や銀髪勢とは好対照。
今作でも飛兵の万能っぷりは健在だが、敵の弓兵系の攻撃力が全体的に高めに設定されており、欲をかこうとするとすぐに堕とされる。無欠クリアを目指す場合は、弓兵の数が減るまで迂闊に前へは出ない事。

トワの場合、人物評が、無欠クリアだと恒久に名を残した女軍師。撤退ありだと死ぬまで戦場にて闘争を求め続けた哀れな女剣士となる。どちらのケースでも本人の名前にかけた結末になっているのが渋い。
そして、トワという名前で中の人を決めたような気がしないでもない。
今作のトワは最初から味方だが、会話ではわざわざ帝国のスパイかと疑う展開まであるし…考え過ぎだろうか。

告白で覚えるスキル「用兵の妙味」により、複数種の傭兵を一部隊で雇えるようになる。
縛りプレイ時は特に面白く使えるスキルなのだが、告白イベント発生のタイミング的に、終盤と二周目以降の出番になるのが非常に勿体ないところである。
「軍師」というもっとらしいスキルは、何故かフローレにとられてしまった。
トワの場合、肩書きからして軍師なので、今更感でもあるからということだろうか…。スキル名を変えてくれればいいのに。

光輝の軍勢

ラングリッサーシリーズでお馴染みの勢力。光輝の読みは「ひかり」。
シリーズでは帝国と名の付く勢力と敵対関係にあるケースが多く、今作でもその点は同様。
光の女神「ルシリス」の信仰という点で一致団結した諸国と都市による大規模な連合軍であり、質も量もはるかに上回る帝国に対してゲリラ的に戦い続けている。

ユリアンの13回目の会話によると転生後のジェシカが現れる前からずっと大陸の最大宗教勢力であり(クロニク教より影響力は上)
教皇がトップにおり、下に枢機卿がいる構造で、ジェシカでも教皇の決定は覆せないようだ。なお旧作にルシリス教の教皇や枢機卿は出てこない。
描写されていないだけで居たという可能性もあるが、今作でも会話イベントで名前が挙がるだけの存在であり、どのみちほぼ設定だけの登場である。

今作の光輝軍は、シリーズのどの作品の味方勢力よりギスギスしており、個別会話からリュグナー司令はロザリアさんと明らかに仲が悪く、
ユリアン曰くミシェルが同行しているのは教皇や枢機卿による監視の目的もあると言う噂があったり
戦争が終わったら邪魔になる英雄アレスを排除しにかかるだろうと言われており
シナリオ的な部分以外にもアレスも帝国や闇に行った方がよかったんじゃないかと思うばかりである。
ちなみに幸か不幸か、会話イベントを一切見ないと上記の事情はまるで分からない。
知らぬが仏、とはこのことか。ただでさえストーリーの起伏が少ない光輝ルートがますます平坦になるので、なるべく会話イベントは見たほうがいいでしょう…。

今作のオマージュ元である『デアラングリッサー』だと、光輝ルート以外へとプレイヤーが進んだ場合に、
光輝軍とは交渉不能かつ、玉砕覚悟の徹底抗戦で挑んでくるという展開になるので、
他勢力に対して融通の利かないおっかない集団というイメージを受けなくもない。
今作はそのイメージを下地にしつつ掘り下げようとしたのかもしれないが、
実際の光輝ルートは内も外にもギスギスしてるだけで、
最後に帝国を倒すと一気にぜんぶ解決するという不思議な構成になってしまっている。
とはいえ、光輝ルートでは帝国が明確な悪となっているので、それを受けてか帝国皇帝とお付きの女教皇(代理)のヒール役はなかなかいい感じに描かれている。見所はそっち。

光輝ルートで加入する指揮官は9人も居り(帝国ルートは8人、闇ルートは7人)、他に自警団の4人も居るため、誰を育てていくか悩ましい。
今作は通常、一度に8人までしか出撃できない。さらにその内の1枠はアレスで固定となっているため他に出せるのは7枠。
いくら今作の難易度が低いとはいえ、9+4で13人も育てていくのは厳しい。
光輝ルート9人中、ノエミとミシェルは独立軍ルートでも使用できるので、
彼女たち2人を除いた他の7人で固めると純正な光輝軍になる。まあお好みで。

ルシリス教の聖地はエルスリードとされており、今作ではとうの昔に帝国の支配下にある(港のステージがそれ)。
設定資料集によると、エルスリードの奪還も光輝の軍勢の目的の一つ。

今作の舞台、プルガトリウム(各大陸の総称なのか、世界名なのかは明記されていない)
に存在する三大陸のうち、西方にある「バルディス大陸」に主な拠点が点在している。
名称からして『ラング1』の「バルディア王国」とも縁が深そうな他、
プルガトリウム全体を囲う謎の巨大水門の名は「ガイアの門」と呼ばれ、こちらはこちらで「ガイア大陸」と何か関連がありそうである。色々と思わせぶりな名称は散りばめられているが、成り立ちの真相は不明。
バルディス大陸の南には、旧作通りの名前で「エルラードの遺跡」も存在する。
今作では独立軍結成の地となることもあり、その場合アレス達の自称ではあるがエルラード軍という名称の由来になる。

聖地エルスリードの元ネタは、『ラング3』で建国された王国の名前。意味は「光輝く」で、光輝の軍勢の由来もここから来ている。
『ラング3』の時点では位置はヴェルゼリアより南だったが、今作では北にある。
場所は帝国の治めるガルド大陸。バルディス大陸上にすらないので奪還は容易では無さそうだ。

エルラードの遺跡は『ラング2』及び『デア』でラングリッサーの覚醒に必要だったホーリーロッドがあった場所。
本来はヴェルゼリア大陸にあった。仮にもし同じ遺跡だとしたら、洪水で土地ごと流されてきたのだろうか…

傭兵モンクの立絵は、光輝軍の男性モブが使い回されている。
どう見てもモンクには見えないが出家前の姿だとかそういうことにしておこう。

ルシリス

今作では名前のみ登場する、平和と安定の化身である女神様。旧作での声優は平松晶子→井上喜久子。
その名通りルシリス教の信仰対象。普段は天界から下界を見守っており、人前に姿を現すことは極めて稀。
旧作では、主人公が悪の尖兵として歩むとラスボス役として光臨することもあった他、
『ラングリッサー1&2』や『3』ではキャラメイクとゲームのチュートリアルまで纏めて引き受けていた名ガイド。

ちなみに今作のチュートリアルは、話者不明な天の声形式で語られる。立絵が用意できなかったという大人の事情だけで、チュートリアル自体は引き続きルシリス様が担当されているのかもしれない。なんだかテキストが妙に口語的だし…

さりげなく設定資料集のあらましに「人間たちは神々を打ち倒し」とか書かれており、
この書かれ方では人間に倒されたように見える。どうもカオスと一括りにされている感。ルシリス様はかなり人間寄りの立場の御方なのだが。
しかしそうするとルシリス教もクロニク教もカオスを信仰する人たちと同じで人類の敵ということになり、
ジェシカ様も人類の敵ということでこんな立場ではいられないはずなので設定が根幹からおかしくなる。
マイヤとの4回目の会話で「ルシリス教を信用していいのかな?」を選ぶと、「この大陸の人々のほとんどが信じている」という話が聞けるので、間違ってもルシリス様を嫌う者が多いなんてことは無さそうだ。
また地上に干渉しなくなったといった次のページでは「女神ルシリスに選ばれた」と書かれており
干渉してるじゃん!となってしまう。恐らく何かの間違いだろう。

上記件を作中とずれが生じない範囲で何とか解釈するとしたら、
「神(本人が直接)は、地上に干渉しなくなった」というところだろうか。
これまたマイヤとの4回目の会話の同選択肢で、以前はルシリス様もよく地上に降臨なされていたという内容の説明がある。
これが昔のこと。
そうはしなくなり、代理人ジェシカとラングリッサーだけを下界に委ねて後はよろしくね、というスタンスになったのを「干渉しなくなった」と表現したのかもしれない。
結論として、神々を打ち倒した云々のくだりは『ラング3』より前の話について言及している?
ラングリッサーの使い手をルシリス様が直接指名しているというなら話は成立しなくなるが、
ラングリッサー自身がアレスを選んでおり、それを周囲や書き手が「ルシリス様が選んだ」と解釈しているだけなら齟齬は生じないだろう。
(……とか書きつつ何だか苦しい気がしてきました。問題あれば修正して下さい)

今作ではオープニングでラングリッサー(未覚醒)を入手できるが、旧作だといずれも中盤以降での登場だったので勝手が異なる。アレスがどのクラスに就いていようと装備できるのが最大の利点。未覚醒状態でもアレス自身が強いので気にならない……実のところ、剣ではなく、アレスが強いのである。いまいちありがたみが薄く、覚醒前だと超ショップでのお値段がアルハザードに負けてるのが切ない。

ルシリス様は『3』では自らが創り出したジェシカを「大切な娘」とまで断言したり、『5』のドラマCDではアルフレッドに対して気配りを見せる場面もあったりと、とても穏やかで心優しい人物…のはずなのだが、何故か小説版では一転して傲慢で高圧的な人物として描かれてしまっている。

小説版『3』ではディハルトにラングリッサーを託したジェシカを「天界の掟を破った」と激怒し、罰としてジェシカの記憶と力を奪って下界に追放。さらに「誰の力も借りる事無く天界まで帰って来れたら記憶と力を戻す」などという無茶苦茶な無理難題を、記憶を失ったジェシカに突きつける始末。

さらに小説版『4』ではギザロフを倒して世界を救った英雄であるランディウスを「あまりにも強大な力を持ち過ぎた」などと危険視し抹殺する事を決断。しかも自分の手を一切汚そうとせず、ランディウスが信頼を寄せているから成功しやすいだろうとジェシカに暗殺を命じるという始末。
結局ランディウスに一発でバレてしまい暗殺は失敗に終わったのだが、仮にも世界を救った英雄に対してこの仕打ちは何なのか。しかも『2』のベルンハルトのように世界統一の野心を持っているのならまだしも、祝賀会で「レイチェルやリッキーと村に帰って3人で静かに暮らす」と言い切っているのにも関わらずである。
この人は何故ゲーム版と小説版で、こうも扱いが違うのだろうか…。

小説版では他にも設定や性格が大きく変わっているキャラがちらほら居る。
一作目からミレニアムに至るまで、すべて紙井中氏がノベライズを手掛けていた。
もちろん内容はオリジナルスタッフの監修済みとのことだが、
紙井中氏のボーゼル贔屓など個人の意向によるものなのかもしれない。真相は不明。

~転生間もない光の巫女~ ジェシカ

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■性別:女  ■年齢:?  ■初期クラス:マジシャン(魔術師)  ■声:悠木碧
■職業:ルシリス教総司祭(光の巫女)

シリーズ常連の女性キャラクター。
常連キャラでありながら中の人の変遷は激しい(さとうあい→潘恵子→久川綾→前田愛→悠木碧)が、これは後述の設定を踏まえてのものかもしれない。
今作では姿が異様に幼くなって登場。中の人からして魔法少女に。

3DSホーム画面で今作のアイコンにカーソルを合わせると、「ラングリッサー」とタイトルコールをしてくれる。
海外版でも全く同じボイスが使用されている。
他、3DS用の公式テーマも販売されている。
https://www.nintendo.co.jp/3ds/theme/list/02076/index.html[外部リンク](リンク切れ)

ジェシカはルシリスの代理で下界を監視しており、転生し続けることで1000年は生き続けているという。つまりは同一人物。
人外じみているというか、『3』においてルシリスが創り出した人造生命体である事がずばり明かされている。

しかしビクターブックス発行の「ラングリッサーコンプリート」という『1』〜『3』の特集本によると、
『2』のメインキャラの一人「レスター」の紹介文にて、「転生により赤子となったジェシカが育つまで守ってきた」…との記載がある。
『2』のゲーム本編では結局、成人後という『1』と変わらぬ姿でしか登場しないが(※というか『リインカーネーション』を除き基本的にジェシカの立絵はコスチュームの部分以外ほぼ使い回しだったりする)それでも転生直後とされパワーダウンが強調されていた。今作は容姿すら幼いので、設定上は『2』よりさらにパワーダウンしているのだと思われる。

先述の情報からジェシカは転生時に、毎回赤ん坊まで戻っているのだと推測ができ、そこまで身体のリセットが激しいとはなかなか手のかかる御人である。
ちなみに公式ツイッターによると、「最後の転生から11年ほど経っている」とのこと。本作では11歳相当ということで、若い姿は道理なのですね。光輝軍の中でもっとも小柄だったりする。
余談だが「レスターは元海賊で、ジェシカに命を救われて更生した」といった話がドラマティックエディションのほうの攻略本に書かれている。レスターは大人状態のジェシカに救われ、その縁と恩義に報いるため、後に赤子となったジェシカを自分の手で育てきったようだ。関係が深い。

ジェシカは今作ではキャラメイクも担当しているが、プレイヤーの選択肢によっては「お金は大事です!」と断言する、会話でも隠遁生活が長かったため経理が得意と言う、お子様扱いされると怒るなど……旧作よりずっとコミカルに、また、感情豊かな御人となっている。
キャラメイクは何度でもやり直しできるので、まずはジェシカ様の御反応だけを楽しむのも悪くない。

一方で今作においては立場上、ルシリス教の総司祭となっており(一応申し訳程度であるが、設定資料集にカッコ付きで光の巫女と書かれている)、光輝の軍勢のトップと称しても過言ではない存在。ルシリスの使いであることは一貫しているが、戦場では実質的な帝国レジスタンス代表者でもあって二足の草鞋を履いており、かなり精力的に動き回っている。
久々に1人の仲間キャラという立場に戻った他、会話面では女性らしさが強調されているのがポイント。

しかしマリエルの会話から、部屋の片づけをしなかったりすぐ拗ねたり身の回りのことを気にしなかったり、本人との会話からもお金のことを強調したり戦争も佳境なのに目的もなく編み物を始めたりとなんかだらしない人という側面が至るところで出てきてしまい、かなり神秘性は薄れてしまった。『4』のマクレーンが悲しむ。
実はジェシカの名を騙った別人や二代目……と思しき話は特に出てこないので、あのジェシカの意外な一面が見れて嬉しいと思えるかどうかはプレイヤーに委ねられるだろう。

なお今作での愛弟子、ノエミからは「師匠」や「ジェシカ様」と呼ばれている他、面倒見が良いとされている。フォローが入って良かった。
しかし、独立軍ルートでノエミはアレス側に寝返ってしまうため、何の因果かまたしても弟子に離反される展開が繰り返される…。

シリーズの伝統に則り、今作でもラングリッサーを装備可能となっている。
未だ世に出ていない『ラングリッサーシュヴァルツ』でのキャラ紹介文を参照すると、聖剣ラングリッサーを手に取ろうとするが戦いの最中に重傷を負ってしまった、とある。
もしかして自らラングリッサーを装備して戦うおつもりだったのだろうか。
今作でも、もしアレスがすんなりラングリッサーを返却していたらジェシカが使うという展開が見られたかもしれない。

今作ではボーゼル側のカリスマブレイクは無かったので相対的にジェシカの評価が落ちそう……に思えたが、
エースとして育てていくと最終的にはメテオ習得、告白すると魔法ダメージアップスキルまで備えてルシリス様よりカオス寄りのとんでもない強さへ豹変する。真ラングリッサーを装備させてあげるといよいよ無敵に。そこまでは非常に長いが育てる価値は充分。どうも実際には『2』のときより強いように思える。

さらに、ルートによってはラスボスさえも務める。通常時とグラフィック等の違いは無いのが惜しい。
独立ルートでジェシカが立ち塞がってくるのはずっとラングリッサー絡みなので、
何だかラングリッサーを横取りしたいだけのような人に思えなくもない。

今作の立絵では頭の付近に仮面らしきものを浮かせているが、仮面にしては顔のサイズよりずっと小さく、目元だけを隠すことすら出来そうにない。どういった用途で何の為に浮かせているのか、どこを探しても説明が無い。もちろん旧作で身に付けていたものでも無い。
シリーズ全体を通してみても、ジェシカの関係者で仮面を付けている者は居なかった。
強いて挙げれば『ラングリッサー4』の小説版ではボーゼルが仮面をつける描写があるが、それは目を隠す為のものでジェシカの仮面ではそれがとても出来そうに無い。とにかく謎。

全くの余談でしかないが、件の『ラングリッサー4』の54ページに、ランディウス兄弟とマクレーンの出会いについて「ひょんなことから手を組むことになった三人」という記載がある。後に今作にこの言い回しが登場してしまうとは。

~ジェシカを支える光輝の司祭~ マリエル・サルラス

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■性別:女  ■年齢:20歳  ■初期クラス:エクソシスト(僧侶)  ■声:山本彩乃
■職業:ルシリス教司祭

今作で初登場したジェシカの付き人。マリエル自身は転生しているわけではなく、普通の女性。
何度も転生を繰り返しているジェシカの素性は、この時代でも周知されているようである。
ジェシカの世話をする一方で、本人がジェシカの世話になることも多々あり、歳の離れた友人のような間柄である。まあ実際に歳はものすごく離れているのだが。

巨大なメイスを装備し、胸元・腹・太股だけは堂々と露出した僧兵姿はなかなかに刺激的。
ルシリス教の聖職者は服装についてうるさく言われないのだろうか。
まあ、大元のルシリス様からして実はノーパンだったりするらしいし…
古事記はともかくWikipediaにもそう書いてありました。けっこう有名なのかい。
また、メガネだけやけに今風なデザイン(下側だけフレームのついたアンダーリムタイプ)だが、ひょっとしてグレスデン製なのだろうか。

敵として現れた場合でもやはりジェシカのお供として登場。
戦力的にはロザリアやシュゼットの影に隠れがち。
ミョルニルを装備して出てくる場合にだけ注意。仕留め損なうな的な意味で。

あまりしゃべらないのでモブに毛とメガネが生えた程度にしか感じない。
おまけに今作の残念AIのせいで、誰かがダメージを受けるとその場で届かないヒール1を撃ち続けるだけのかわいそうな人になってしまう。せめてジェシカにかけてあげて!帝国陣営ではフローレ様がこの残念パターンに該当してしまうが、マリエルの場合はインテリに見えて実はわりとアホの子なので、テンパってヒール1を連打しているようにまだ見えなくもない。そういうことにしておいてあげよう。

他のネームドが近づくまでは動かないAIの時も彼女だけは突っ込んでくることが多い。ジェシカを守るという設定からなのか、周りが動いても動かないことが多いリュグナーとは対照的。ver.1.1だと基本能力が上回ってダメージが通らない敵には戦闘を仕掛けないルーチンになったが、彼女やフローレ様などは隣接しているとウェポンブレイカー(ダメージが通らなくても攻撃力ダウンは効果を発揮する)を使って特攻して勝手に散ったりする。効果があるかどうかすら怪しいデバフでは到底覆らない差がある能力の味方にデバフをかけるために戦闘を仕掛け爆発する様はちょっと間抜けな上に傭兵の分の経験値が勿体ないのでやめていただきたい。

仲間として鍛えていくと、最終的にはパラディンになる。
告白スキルは「防御力+4」。他のキャラはもっていない専用スキル。それにしては内容が地味だがこれもまた個性か。

サルラスというと、旧作で頻繁に登場した馴染み深い地名であり、
今作では古今東西の稀覯本を集めたサルラスの図書室として名高いようだ。
なお本来のサルラス領はヴェルゼリアの南なので地図で見ると既に沈んでしまっている。代々の領主が集めた本は大丈夫か。
また帝国により滅ぼされた王国であるという説明もあるので、時系列的な云々は大体カルザスと同じ。
今作が『ラング5』より前の物語だとするなら、どこかで復興していてもらわないと困る。

ゲーム本編の戦闘にはサルラスという土地柄がまったく関わって来ないのが残念。
そもそも沈んでいるようだし、どうしようもない。

具体的にサルラスに関わる者は『ラング1』のホーキング、『ラング2』のローガンとスコット、『ラング5』のレナード公爵である。
光輝の英雄に仕えてきた家系であることをマリエルは話すが、
『ラング5』の時点まで来るとそうでもなさそうに見えるので怪しいものである。
『ラング5』ではカルザスのゴタゴタもあってジェシカ様のサルラス家に対する信頼度もあまりよろしくないため
転生後の世話を任せるとは考えにくくやっぱり『ラング5』より前なのかなあ?という気もしないでもない。
『ラング2』でスコットがラングリッサーを扱えない理由が養子であるからという(後付け)設定があったりするため、
同じくラングリッサーが使えないマリエルはスコットの子孫であることが推測される。
片側だけボリュームのある癖っ毛など、なんとなくスコットの面影が有る。

~名声を求めるルシリス教の主教~ リュグナー・マントゥール

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■性別:男  ■年齢:32歳  ■初期クラス:クレリック(僧侶)  ■声:望月英
■職業:ルシリス教主教

平民でありながらルシリス教の主教にまで上り詰めた男。僧侶としての実力自体は確かなものだが、ジェシカ相手に対等であるかのような口を利く。さすがに様付けはしているが。
常に権力と名声をがむしゃらに求めており、主教となった現在ですらあまり余裕を感じさせない。
特集サイトによる情報だと、すべては酒浸りになった父の存在を見てきた反動らしい。
ただ、帝国相手の戦争でもその姿勢を続けられるあたり、ガッツがあるのは間違いない。

世間の表向きには高潔な人物として通っているようだが、ゲーム本編ではもっぱら「光輝軍の嫌なヤツ」という描かれ方をしており、仲間に対し悪態をつくシーンまでしばし登場する。
ぜんぜん本性を隠せていないように見えるが…その一方で、会話イベントのほうでは彼なりの気遣いを見せることもままある。
アレスに対し、「君は英雄だからそういうことはしなくていい。そういうことは私がやる。」という趣旨の発言をするなど、汚いこと・卑怯なことは自分の役目としている節もあり、実際特に闇ルートではアレスとロザリアとの一騎打ちでアレスを騙し討ちにしようとしたりしている。卑怯なことには変わりないが、例え味方からも糾弾されても彼なりに光輝の勢力の一発逆転勝利のための最も確率の高い方法を選んだのだろう。
隠れた一面をこちらから覗きにいってやらないと、最後まで単なる嫌なヤツ止まりという面倒なキャラクターである。…同じことはぶっちゃけ今作自体にも言(ry

帝国ルート終盤で敵として現れた際、僕がラングリッサーを使えれば…!との台詞からは
彼の執念を感じられる。負けたときの台詞なので尚更。アレスがリア充過ぎてみんな生きるのが辛い。
また闇ルートではジェシカ様が最後にさらりと
「亡きリュグナーに代わり」とおっしゃるので、撤退台詞無くて無言で爆発した際にそのまま死んだらしい。その後のEDでも元凶のリュグナーが死んだので闇と光輝の戦いは終わった的なモノローグも流れる始末。直前にかなり卑怯な行動をしている上に一応光輝の最高司令官的立場なので全責任おっ被せられても仕方がない面は大いにあるのだが、一騎打ちで騙し討ちにしようとした時ロザリア以外のジェシカ達光輝の面々も一騎打ち邪魔して戦う気満々という描写があるので、死んだのをいいことに生き残った光輝の面々が「全部死んだリュグナーが悪い」ということで済ませた感があって自業自得とはいえ地味に可哀想な面もある。
放浪(独立)ルートでは三下のごとく撤退、帝国ルートではアレスに捕まる。
そして光輝ルートだと自軍にいるがイベントではわりと空気。どれが一番ましなのだろう…

地位や権力に固執してきたせいか、アレスに告白されると最初は「地位目当てか!?」という反応をする。しかし、アレスが地位や権力ではなく純粋にリュグナー本人に好意を持ってることを知るとやけに喜ぶあたり、妻は別として、自分を地位抜きで評価してくれる相手がいたことがよほど嬉しかったらしい。
固有スキルは、経験値アップの効果を持つ「エリート」。何も間違っていないのに何かの皮肉のように思えるのはきっと気のせいだろう。
また何かとFEっぽい今作で『FE聖戦』の経験値が増えるスキル・エリートと同じ名前なのもきっと気のせい。
仲間にして鍛えていくと最終的にはメテオさえ習得する。
ラングリッサーを装備できないという以外はほんとに才能に恵まれてた。

~気高く勇敢な姫騎士~ ロザリア・オルシーニ

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■性別:女  ■年齢:20歳  ■初期クラス:ホースライダー(騎兵)  ■声:井口裕香
■職業:光輝軍勢装甲騎兵師団長

大領主オルシーニ家の娘であり、家族からはオルシェン城とその近辺を任されている。
一方で、光輝軍において騎兵師団長も務めているという忙しい人物。
ゲーム中ではほぼ軍人としか扱われていない。
設定資料集ではジェシカ共々、光輝軍の精神的支柱とまで評されている。

なお設定資料集の地図にオルシェン城の名前は見当たらない。大領主なのに。
オルシェン城が舞台になるステージもあり、一応ゲーム内で場所は分かる。ワイマラナ山脈の西、海岸沿いにある。
オルシーニ家は光輝軍の活動資金の何割かを負担しているようで、敵対すると後半ステージで大勢のバリスタが出てきたりするのもオルシーニ家のせいなのだろう。

最初期から公開されているキャラクターの1人。アレスとほぼ同身長。
へその位置が恐ろしく高く、金髪でやたらボリュームあるツインテールを下げ、銀の鎧姿なのに腰回りは地肌完全に丸出しと、今作キャラの中でも特によく目につくデザインとなっている。
肩書きは「装甲騎兵師団」とご大層なことになっているが本人は薄着。
そのインパクトあってか、リコリスと一緒に限定版のぷちフィギュアになっていたり、
エクストリーム社の麻雀ゲーム『桃色大戦ぱいろん』でもリコリスと社内コラボキャラとして参戦したことがある。
後ろ姿の設定画もあり、普段からお尻も上側だけちょっぴり見せているようだ。何気にぷちフィギュアでも再現されている。このMADE IN CHINAは良い仕事してる。やけにフィギュアの目つきが冷めてるがわりと原画通りなんですよ!
http://www.langrisser.jp/product.html[外部リンク]

一方で、今作シナリオの中では扱いが地味であまりよろしくない。
光輝軍ルートではほぼ台詞無し、帝国ルートではずっと敵であり台詞にも目立つものがない。
唯一、独立軍(闇)ルートでは途中まで共に行動し後半は敵になるという立場からか、アレスを気にかけたりリュグナーをなんとかコントロールしたりと多少の見せ場がある。
当初は外向けにがんがん押し出されていくキャラと想定されていなかったのかもしれない。
告白で得られるスキルは「カリスマ」。告白される前は持ってなかったとか悪い見方はするんじゃない。

中の人のパートボイスはアレスと親しく喋っている体裁で録られたものが多いのか、敵対するシリアスな場面でも駄々っ子のような可愛らしいボイス出てきたりする。表示されている文面(台詞)とも合っておらず、色んな意味で脳内へのダメージが大きい。
一歩間違えれば「光輝の嫌な人その2」くらいの扱いだが、ボイスで幾らか緩和されていると言えなくもない。
案外気丈な女子キャラが多い中で、告白イベントでは珍しくへろへろになってくれる。えらく直球なご反応…。CMにも採用されていたあたりイチ押しの一つなのだろう。
シナリオでは散々だったがスキルやキャラ性能面でも優遇されている。
敵としての能力は闇25章での装備なし攻撃60防御51と、兄貴を除くと最強。なんと皇帝やボーゼルのMAX値より高い。
味方では飛兵にもなれるので、光輝軍ルートに行くならなるべく使ってあげてみてはいかがか。

~軍を支える戦闘のエキスパート~ シュゼット・ブレーズ

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■性別:女  ■年齢:22歳  ■初期クラス:アーチャー(弓兵)  ■声:西田望見
■職業:小隊長

戦災孤児という立場から光輝軍に参加している褐色肌のお姉さん。
設定年齢は22歳。20歳未満が多い中、これでもジェシカ様・オディロン・リュグナーに次ぐ年長組。今作、みんなして若過ぎるよ。
しかし『ラング3』も十代のキャラがやけに多かったのでこんなものかもしれない。

もともとは孤児院(修道院)暮らしだったが、仲間を守るためやむを得ず人を殺めてしまったという経緯があり、自主的に孤児院を去った。そして今でもしっかり仕送りは続けているという、この手のキャラにありがちなエピソードを完備している。
そんな出自のせいか読み書きがほぼ出来ず、せっかくの孤児院の子供達からの手紙も封を開けてすらいない。アレスとの会話の中で読み書きを学ぶことになり、ひらがなの片言ながらも子供達に返事を書いたり、アレスにお礼の手紙をくれたりするようになる。戦闘に関してはアレスに色々教えてくれる姉さん先生の立場であるが、読み書きではつたないけど頑張っている教え子のような逆の一面も見せてくれる。
会話の9回目では選択肢によって『ラング2』のエルウィン、レスター、シェリーの話が聞けたりする。
芸術(人形)を見ての感想とはいえ伝説の英雄が「どことなくアレスに似ている気がする」と気になる発言もする。

マイヤと同じく酒が好きでも酒に弱い。会話内では一回酔っ払ってしまうこともある。
ここまでならまあいいのだが、マイヤと違い酒癖が悪いのに自重しようとせず、
過去にはジェシカ様の耳たぶをなめたり抱きつく、ミシェルの鎧を奪って酔い覚ましに着ながらランニング、
ロザリアさんの馬に泣きながら人生相談をするなど、ヴェルナーが見たら激怒しそうなことばかりしている。ひどい。

職業の「小隊長」という表記から、周囲からの扱いぶりが分かる。
せめて頭に光輝軍くらいはつけてあげて。身なりはともかく正規兵なのですぞ姉さんは。
2章ではいきなりリュグナーから無茶ぶりを受け、光輝軍ルートではプレイヤー共々もっとひどい任務を任されることになる。
ちなみにロザリアは安全な位置に居る組。この扱いの差よ…。
なんだかんだで生還しているのでサバイバルには長けている。

攻撃力が高めに設定されており、敵として現れる場合は飛兵キャラの天敵になる。
後半、シュゼットの傭兵が増えてくると相当厄介な相手になる。
他キャラと比べると、とにかく尋常で無いくらいクリティカルの発生率が高い。敵として出てきても同様。
自軍で扱う場合、弓は中距離専門、隣接しているキャラに攻撃出来ないという欠点があるものの、
今作の仕様上味方が邪魔になりやすい中、弓兵だからこそ有効に攻撃を活かせる場面は案外多い。
歩兵にもなれるが、特に拘りがなければ弓兵のままでもいいだろう。

帝国のことは憎んでいるはずだが、闇軍のレナと違って激しく相手を糾弾するような場面は少ない。
かえってキャラとしては薄くなっているが、活躍しているかはともかく台詞量だけならそこそこで存在感はあるほう。
固有スキルはレナとお揃いの「不屈」。立場や参戦動機を受けてのものと思われる。
ちなみにクリスの固有スキルも同じ。

なお今作の弓兵(狙撃兵)の攻撃範囲は、射程2マス。
さらに弓や銃以外で攻撃されると反撃できない。
旧作を知っているとあまりの射程の短さに愕然としてしまうが、
そのぶん攻撃力はすこぶる高く設定されており、騎兵をも凌ぐ。
槍兵が居ない場合、騎兵には弓兵で攻撃するのが非常に有効。

更新データVer.1.1で弓兵は最優先でターゲットにされるためますます倒されやすくなった。
ピーキーな性能だが、今作の変則ターン制システムには似合っている。

~世界平和を謳う魔法少女~ ノエミ・ヴェルレーヌ

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■性別:女  ■年齢:17歳  ■初期クラス:マジシャン(魔術師)  ■声:村川梨衣
■職業:義勇軍魔術部隊

仕立屋出身の魔法使い。今風な言動と服から軽い奴に見られがちだが
世界平和の為に、また兄を立てるために戦いに参加しており
なぜ戦うのかよくわからないキャラもいる中では割としっかりしている。

序盤で変な道ばかり案内するしNPCではイマイチ役に立たないため印象は悪いが
仲間になると最終的にはメテオを覚えるため他の魔法キャラより一枚上を行く。
立場上は魔術部隊のただのヒラ隊員のようだが、べらぼうに強い。

設定資料集によると、魔法はジェシカのもとで修行しているらしい。教えの賜物か。
杖をくるくる回転させる攻撃アニメでのモーションも専用。妙に優遇されている。

ジェシカに弟子入りすることになった経緯については、電撃オンラインの特集ページに記載がある。下記の件はノエミとの2回目の会話でも登場するので要注目。
幼い頃、両親に「悪い子は魔法使いに連れていかれるぞ」と脅され、持ち前の好奇心から、自ら魔法使いに会いに行き“本当に自分を連れ去るつもりか”と確認してしまう。魔法使いはそんなノエミをとても気に入り、弟子として迎えたそうである。
…その魔法使いというのがずばりジェシカだったのだろうが、数ある魔法使いの中でも何故にわざわざジェシカのところへ行ったのかについては記載が無い。今作のジェシカはこれまでと違い、確固たる表の顔を持つ女性である。となると、魔女としても有名人だったのか?もっと平凡に、家が近所だったとかかもしれない。
これがもしルクレチアあたりに弟子入りした場合は一体どうなっていたのだろうか。
大器晩成型のキャラだが、何にせよジェシカに弟子入りした成果はしっかりあったと言い切れる。

ただしアークメイジになれる4人の中で行動順が一番遅い。オーバーロードのミシェルより遅い。
闇最終章でも歩兵であるオーバーロードのケルティスより遅いので会話でもあるとおり運動は苦手なのだろう。
難易度の低い今作の中でも、毎回直接殴りにいくにはステータス面に多少の不安があり、
かなり魔術師っぽい魔術師である。

また仲間になるルートが2つなのも高得点。
ジェシカ様とのルーンワンドWメテオによるリュウセイグンは全ての傭兵と殆どの指揮官を粉砕する。
ただし固有スキルの「トリックスター」は完全にミスマッチ。スキル効果より名前で決めた感じ?

あだ名をつけるのが好きなようだが(アレっち、みっしー、ポリリン、ロザリー、シュゼ姐さんなど)
個別会話でもアンセルはアンセルだった。あまり仲良くなれなかったらしい。
戦闘中ボイスでは自身のことをノエちゃんと言ったりも。

仕立屋なので服に詳しく、作ったりもする。
独立軍では同じく服を作ったりするパツィル、アクセサリーを作るのが得意なロナ、
部族の仕立屋に服を作ってもらっているポリアルとの絡みが欲しかったところである。

最終的に光輝と独立軍では仲間、帝国では投降し協力する、
闇では特に語られないが流れ的に最終決戦後に投降するということでどのルートでも生存している人物。
さらにゲーム中に撤退させても、人物評にて惨事を起こすも本人はまるで不幸になっている様子が無い。トリックスターの面目躍如。

~違う世界に憧れる内気な少女~ ミシェル・ギー

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■性別:女  ■年齢:18歳  ■初期クラス:ファイター(歩兵) ■声:佐々木未来
■職業:光輝の軍 聖堂奉仕団団長

異端審問を行う教会内組織「聖堂奉仕団」(現在は一人)団長。
何かにつけてすぐ謝る。弱気というよりネガティブ。アイドルでいうなら森久保乃々。

立絵では槍を持っており、会話イベントでも話題に挙がるが、初期クラスは歩兵なのでデフォルト状態だと槍を装備できなかったりする。
なお、恐る恐る槍を突き出してから引っこ抜く戦闘アニメでのモーションは、何気に槍兵ミシェル専用のものとなっている。だからどうしたという話ではあるが。
ちなみにモーションも長くて敵が爆発するまで他よりさらに間がある。じれったい。

設定資料集では槍の先端まで収めるため、ミシェルの立絵は他より一回り小さくして掲載されているようで、
限定版のパッケ裏を見る限りだと何気に本来の身長はでかく、ノエミ以上どころか、男性であるアレス並。
高身長鎧女子がすみませんすみません言いながら戦っている構図、想像すると面白いかも。

NPCでは敵にダメージを与えられない、仲間になってもクラスはユリアンかオディロンの劣化コピー、
独立軍では孤立して敵から追い回されるなどダメダメな点が目立つ。
逆に敵で出ても殆どセリフもなく弱いと扱いは作中でも最悪クラス。
独立軍で仲間になるステージでも、ミシェルが歩兵のため最初の騎兵に歯が立たず、頑張って同ステージでレベルを上げ本領である槍兵にクラスチェンジさせると、奥には歩兵が待ち構えているという嫌がらせにしか思えないようなステージ構成になっている。開発スタッフはミシェルに何か恨みでもあるのか。

それでもノエミと共に行動するためどのルートでも生存しているのはすごい。
固有スキルは「AT+4」。こんなキャラ設定でヴェルナーと同じなのは不思議。でもいらないスキル。

独立軍ではジェシカ様から聞いた話と独自の調査で
エルラードの祭壇でラングリッサーが覚醒することを知っていた。
そのためミシェルのおかげでラングリッサーが覚醒した。作品を通してそのくらいしか見せ場がない。
2章では一応プレイヤーを助けてくれるが、あんまり役には立たない。
このときはシュゼットとペアを組んでいるが、以降はノエミとのペアになる。

戦争が終わったら家に帰らないと、と言いつつグッドエンドでは旅に出てしまう。
独立軍になって光輝ともめていてもそれは変わらない。そのあたりは図太い。

~亡国の王子~ ユリアン・カルザス

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■性別:男  ■年齢:16歳  ■初期クラス:ファイター(歩兵)  ■声:田村睦心
■職業:光輝の軍勢の将軍 亡国カルザスの王子

亡国カルザス王国の王子。一応肩書きは将軍らしい。
NPCで出てくれば大抵バイクに轢かれて爆発する仕事。
「殺す」など物騒な台詞が多い一方で当の本人もよく殺される。防御力がちょっと…
設定資料集によると、王族としては最後の生き残りとされている。
クラスチェンジの末、キングになるというのがかっこいい。国は無いけどな。
中の人は、ユリアンの多用する台詞と中の人の代表作で決められたような気がする。

シリーズファンにはお馴染みのカルザス姓を持つ。
よって『ラング3』のルナ、『ラング1』のランスとナーム、『ラング2』のシェリーの子孫であると思われ、ラングリッサーが装備できる。
カルザスが王国制なのは『ラング2』から『4』までの間であるため(『5』では気がついたらいきなり帝国制、それ以降は民制)
『5』のクラレットの先祖という気がするのだが、詳しく調べる必要がある。

仮に今作が『5』より前の話であるなら、物語開始以前に滅びてしまったという設定のせいで
光輝ルートでグッドエンドにしてカルザスを復興させないと『5』との繋がりがおかしくなるため
今作のエンディングの中では光輝ルートが正史ということになる。

しかし『ラングリッサートリビュート』の説明書によると『2』と『4&5』の間は200年しかない。
封印されたラングリッサーとアルハザードは『2』の170年後に奪われている。
二本の剣の状況を考えると、今作はその170年後以降に位置することになるが、
その間にカルザスを復興させ、『5』でカルザス帝国になるほど勢力を盛り返し・・・と言う感じだとすると
相当厳しいため、じゃあ『5』より後なのか?と思ってしまうのだが
ユリアンとの14回目の会話で
「暗黒時代を境に資料が失われたため、カルザスの建国者の名前については、不自然に名前が記録から残っていない」
(→今作は暗黒時代(『ラングリッサーミレニアム』の前の時代)より後?)
「「黒い鎧をまとった、とある国の元近衛騎士団長が建国した」という推測ができる資料はあるが、国家の正当性を隠すために名前を消されたのでは」
などとさらにややこしいことを言い出す。
(『1』のランス・カルザスは黒騎士であり、近衛騎士団長であった。なおランスがナームと結ばれ、カルザス国を建国した創始者となったことは旧作の資料で明言されている)

これでユリアンがラングリッサーを装備できなければ、支配のためにカルザスの血を自称しているだけだった『5』のギルモアのようなものとして考えることができ、
ユリアン本人がラングリッサーについて何も語らないこと、ジェシカ様がアレスに対しユリアンについて一言も言わないのも納得なのだが、普通に装備できてしまう。本家の証明。
こんな感じで年表や旧作との繋がりを大混乱させている張本人の一人。

今作はわりとシリーズ全部の設定を取り入れようとした形跡が見受けられるが、『ラングリッサートリビュート』の説明書については見落としていたのだろうか。それとも、あえてあいまいにしておくことで都合良く改変できる余地を残したのだろうか。そのあたりは不明である。

ラングリッサーについては、装備できるかどうかという点よりも、「ラングリッサーに選ばれたかどうか」=救世主たる資格があるかのほうが作中では重要視されているので、ユリアンなど他の装備可能者が話題に挙がらない点についてはまだ解釈のしようはある。ジェシカ様は優秀な魔法戦士でもあるが神の代理人で、ラングリッサーの意思(?)を尊重するし、一方のユリアンは精神を病んでしまっている。救世主が誰かと考えれば、アレス・ジェシカ・ユリアンこの三人の中では問題なくアレスになるのだろう。……リコリスも装備できるって?ボーゼル候補に持たせるなんて論外です!と、ジェシカ様なら多分そのように考えスルーされたのでは。
だいたい攻撃力だけ見てしまえば、未覚醒前だと3しかない底辺武器でありそんなにすごい代物でもなく、覚醒に必要な場であるエルラード遺跡も地図上で見るとけっこう遠い。もしも今作にカオス様が降臨される機会があれば、彼を撃退するため何としても必要だったのだろうが、幸いにもそんな事態にはならなかった。剣そのものの重要度が今作だと相対的に低かったりする。
しかし、「デア・ラングリッサー」でも未覚醒状態ではAT+3、DF+1の微妙武器にしか過ぎないこの剣を手に入れた途端、当時最大勢力だったレイガルド帝国を裏切り、そのままたった3人の指揮官で帝国に攻め入るポジティブ思考の主人公がいた辺り、なまじ有名で伝説付きの剣だけに、手に入れた者の気ばかり大きくする罪な武器であると言えよう。
ちなみに、ロザリアさんとの会話イベントでは彼女がラングリッサーを装備しようとする話もあるのだが、鞘から抜くことすら出来なかった。関係者以外には冷たい聖剣である。

ユリアンは過去のトラウマからだいぶ性格が歪んでしまったようで、作中での言動はケルティスよりひどい。
固有スキルは当のケルティスと同じ「狂気」。殺人鬼とお揃いとは。でも動物に対する感謝は忘れない。
また、告白イベントによると裏切りから人間不信気味になっていたようだ。
その反動なのか、恐らくユリアンの子孫と思われる『5』のクラレットが他人に頼るばかりなのは皮肉なものである。

数少ない強制出撃イベント持ち。そのステージの敗北条件は「アレスの撤退」と「ユリアンの死亡」。
つまり敵にやられるとアレスは撤退して死なない。
それなのにユリアンは血を吐いて専用のセリフを言いながら死んでしまう。
味方唯一の撤退台詞持ちがご覧のありさまだよ!

ちなみに海外版では、「アレスの撤退」の部分は、「Ares dies(アレスの死)」と書かれるようになった。アレスも死ぬことが明記されたわけである。もしもこれがユリアンのせいだとしたら業の深い話だ。

~贖罪の老騎士~ オディロン・フェデルタ

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■性別:男  ■年齢:66歳  ■初期クラス:センチネル(槍兵)  ■声:中田譲治
■職業:光輝の軍勢の将軍 亡国カルザス王国軍将軍

ユリアンに付き添う忠臣。趣味は武芸と盆栽。
戦闘能力だけならユリアンより圧倒的に上であり、実質彼のボディガードを兼ねている。
敵として出てきた時は、騎兵キャラに容赦ないダメージを与えて来る他、
ユリアンからの支援で底力を発揮してくる。先にユリアンを倒さないと厳しい相手。
しかし味方になると非常に影が薄い。
ただでさえ人数の多い光輝ルートで能力も下のほうである彼の出る枠はないのだが、強制出撃が一回ある。
せめて仲間になってから1レベルくらいは上げてロードにしてククリナイフを持たせておかないと
21章でバイクに轢かれてバッドエンドになるので注意しよう。

バッドエンドだと臨終の際に周りには誰も居なかった…という話になるのだが、
つまりは、ずっと一蓮托生だったユリアンにも見捨てられたということになる。
自身のバッドエンドついでに、ユリアンを薄情キャラに変えてしまうとは…厄介な御老人だ。

カルザスでユリアンの父の代から仕えていたため、ユリアンの身に起きた事件を目の当たりにしている。
年齢から考えると父の代に仕えていた時点でも今作の登場人物の殆どより年上であったのだろう。
なお彼の認識ではカルザス王国は現存していた最も古い王国だったということらしい。

命をかけてユリアンに従うのには理由があり、光輝ルートと個別の会話で説明される。
該当ステージをさっさとクリアしてしまったり、メテオ使える人がいっぱいいるからと
ヒルダをスキルのみで倒してしまうとイベントが起きず詳細が分からないかも。
なお個別会話でもトワ師匠との関係はよくわからないまま。
トワの流派を気にしてはいたが、肝心の本人に対してはコメントをくれない。
独立軍ルートの決戦でも結局何が言いたかったのか不明である。

妻と子がいたということで、告白失敗の時はそれを一つの理由に断られる。リュグナーとは違い妻を大事にする人。
そしてなぜか告白成功するとピンクの背景で裸になる男その2。その1はケルティス。
2人の共通点は槍兵であること。槍、ねぇ…。

告白スキルは「移動適正」。
消費移動力が1減るが、0にはならないためダイレクトに移動距離が伸びるコニーと比較すると残念感が強い。
特にアレスが飛兵だと全く嬉しくない。

グレスデン帝国

ゲーム開始時点で既に、プルガトリウムの大部分を支配下に置く帝国。
三大陸のうち、最も大きい「ガルド大陸」を手中に収めている。
『ラング2』の「レイガルド帝国」と直接の繋がりがあるかは不明だが、
最初の皇帝はボーゼルの血縁者であったことまでは今作の放浪(独立)ルートで説明される。
むしろヴェルゼリアゆかりの国家のようだ。

設定資料集の地図をもとに、開始時点での各勢力の実効支配範囲を数字で比較すると、
帝国5:光輝3:闇2 といったところだろうか。
現皇帝オウトクラト4世の強引な他国侵攻が一方では裏目に出て、敵を作り過ぎていると資料内でも説明されている。

国として魔剣アルハザードを奉じており、現在も所有している。
歴代の皇帝はいずれもアルハザードを少なからず扱えていたようである。
この特徴だけを見ると、レイガルド帝国を意識した傾向が伺えるものの、他に大きな特徴がある。

古代文明の残した空中要塞エスペランザが、帝国最大の拠点となっている。
通称としては「方舟」(見た目は戦艦)と呼ばれ、これに首都と皇居アーデルベルト城も内包されている。
帝国の本拠地は、空を自由に移動可能なのである。
陸は陸で鉄道を敷いて列車を走らせており、その中でも列車砲ガエアサルは地上走行が可能な大型攻撃兵器。
空と陸の両方から大陸全土を監視し、支配をより強固なものにしている。
関連キャラクターやマップの一部にスチームパンク風のビジュアルが採用されており、
シリーズ旧作に登場したいろいろな帝国とも差別化が出来ている。

ラングシリーズの帝国や敵兵というと緑色がメインカラーだったが、今作では茶色。
しかし皇帝率いるインペリアルガードだけは緑色だったりする。
あまり強そうな色には見えないが、ルートによっては本当に激強なので気をつけよう。
なお戦闘アニメだといつもの茶色の帝国兵が出てきてしまう。

8章「転がり始める運命」(光輝軍ルート)では、エルマの台詞から「帝国の大陸統一戦争」というワードが聞ける。
オウトクラト4世がガルド大陸を統べる過程でも色々あったようだ。
ちなみに、失敗に終わっているもののリコリス誘拐も同時期に行われた模様。
またルクレチア様も帝国の大陸統一戦争の時には既に教皇代理であったようである。

ラングシリーズの帝国というと毎度、大義はあれど、力を振りかざす驕り高ぶった人間達の集団と描かれている。
その一方で幹部クラスには意外と人格者が揃っていたりするのだが、今作もそういったツボはしっかり押さえてある。
グレスデン帝国の場合は、悪役担当が皇帝ほぼ一人に集約されており、
それでいて皇帝の出番が少な過ぎるしキャラもブレ気味だしで、あと数歩フォロー不足気味。

今作は三勢力とも、女性モブ立絵は顔のパーツが使い回されてしまっているが、
その中でも帝国の女性モブは、ウェーブのかかった派手なピンク髪と開きまくった胸元により、ネームドばりに良く目立つデザインになっている。
一応戦闘アニメでも、飛兵指揮官の女傭兵がこの髪型を再現している。…遠目にはガスマスクのポリゴンが赤く欠けているようにしか見えないがな!
さらに余談だが、発売前のニコニコ動画での公式宣伝番組では、男性モブの立絵がまだ用意できていないとかで、このモブの彼女がオープニングでアレスを追いかけ回す役をやっていた。一方で台詞だけは製品版仕様だったので「そんな骨董品でオレとやり合うつもりか?」とボーイッシュ過ぎる台詞を吐き、番組に出演していた某氏を喜ばせていたが、製品版では結局あのオッサンに差し替えられました。無情。

~思惑と素顔を隠す謎の皇帝~ オウトクラト4世

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■性別:男  ■年齢:不明  ■初期クラス:エンペラー(歩兵)  ■声:興津和幸
■職業:帝国皇帝

政変によって帝位に就いた、帝国軍情報部員フェルディナント君。ルクレチア様の下僕一号。
『ラング3』のリグリア帝国皇帝クライストも4世だった。数字を合わせてあるあたり、ちょっと意識しているのかもしれない。
バストアップの絵のせいで小太りに見えるかわいそうな奴。
限定版のパッケ裏を参照する限り、悠に2メートルは超えていると思われる異様な長身。
皇帝になってからは仮面で素顔を隠しているが、ここまで特徴的な容姿だと正体は周囲にバレていそうだ。

任務中に偶然アルハザードを見つけてしまったことで彼の人生は急変。
アルハザードから得た知識(クリムゾニアの知識であろう)でクーデターを起こして
アレスの父を殺害し(ルクレチア様も一枚噛んでいたように見える)帝国を機械化、他国への侵略を始める。
帝国の機械文明はほぼ彼一代で築かれ大発展したようなので、その功績と引き換えに素性の怪しさ等はあまり問題視されなかったのかもしれない。
実際には帝国皇帝直系の血筋からはまったく外れている男である。
(なお作中の台詞から察するに、本人もまずいと思ったのか、皇帝直系の血筋に居る者だと自らを偽るくらいはしているようだ)
そのくせ、アルハザードから知識を得て古代文明の叡智を再現するという物凄いことをやっている。
今までのアルハザードの持ち主は剣から知識を得て機械化することはできなかったので
実際は『ラング4』のギザロフ様並に頭がよかったのだろう。作中では知性の欠片も見られないが。
狂気的な言動はアルハザードによるものだろうか?と、設定資料集では推定の形で書かれている。
いずれにせよ、実は皇帝の血を引いていた主人公アレスと、皇帝の血を偽っていただけのオウトクラト4世は対照的である。おまけに2人とも伝説の剣を手にしたのはただの偶然。2人の絡みはゲーム中だと極僅かで、もっと因縁が深まれば熱いストーリーになったかもしれない。

帝国ルートでは、この世界における急速な水位上昇も自身が招いたことだと自ら暴露する。それも私だ的な。
ただしさすがに、アルハザードを武器として使うことはできないようだ(ゲームシステム的に、装備しているアイテムは倒された際に必ずドロップするというお約束があるので、毎回アルハザードを落とさせるわけにはいかないというシステムの都合かもしれませんが…)。
実際のところ、武器として使ってみせるより、叡智再現のほうが国の実益にもかなっており、国民への効果があったのだと思われる。
そして武器として使えないあたりが幸いしたのか、精神的には病んでいたりヘタレていたりする一方で、ボーゼル化(アルハザードによる乗っ取られ)してしまっている印象は薄い。
大体は連想しての補完が出来なくはないが、『ラング4』のギザロフ様のように、冒頭で悪役(フェル)が台頭していく様子くらいは挿入して欲しかったものである。

即位後、リコリスを誘拐しようとするが失敗、アレスの情報を知った後はボルスレーヌを襲いアレスを抹殺するよう命令する。
恐らく旧作のボーゼルのルールからボーゼルの印を持つ者を殺せば自分がアルハザードを継承できると考えたのだろう。
ただし実行部隊はアレスの顔すら教えられていなかった。ジェシカ様やルクレチアの読み通り、このときはラングリッサー破壊のほうが主目的だったのかもしれない。まあ両方とも失敗に終わってしまったが、帝国は仮にも最強の地上兵器まで使用しているので、この結果はアレス側が強運過ぎたともいえる。そして今作一連の戦いはここから始まる。

実際フェル君とルクレチア様、あとユリアンの行動や発言は『ラング3』のアルテミュラー元帥よりよっぽどボーゼルの資格がある。フェルとユリアンの攻撃モーションは同じ。もしかして病んだキャラ同士ということで共有化させているのか…?
彼らがいずれもボーゼルを信奉していないというのも、世の中的には実にありがたい。洗脳されていたとはいえ、『ラング2』のソニアちゃんとかで嫌な事件起きてましたしね本当に。

事前情報などではすごい奴に思われていたがストーリーでの扱いはミシェルを超えて最悪。
オープニングにちょっと出て、忘れられた頃後半ステージで急に登場、そのステージでほぼ出番終わり。
イメージとしては『ラング1』のディゴス皇帝に近いものがあるが、縛りプレイでもしていない限りはそうそう苦戦もしない点で残念極まる。ただし行動順はアルハザードを装備せずとも最速で、フルヒールをはじめとして回復スキルで固めているため縛りプレイ時はかなりの難敵になる。それにしてもアルハザードを手にした男のスキルが回復系ばかりで何だか平和的な印象と、何が何でも生き延びたいという執念を感じる。

このように当ページでの記載は充実しているが、要はツッコミどころの多い男というだけである。でも話すネタさえ無いよりはいいのかもしれない。

唯一扱いがいい方な光輝ルートではそれなりに威厳を保ち、
ダメージを与えるとセリフも多くしゃべり、負けた時の散り様も割と潔い。
しかし帝国ルートでは部下ほぼ全員にクーデターを起こされ
2本の剣と継承者を抱えられたことで幸せ絶頂なルクレチア様にも見捨てられて
最後にはボーゼル状態のリコリスに粛清されてしまう。
闇ルートでは生命の危機になるとあっさりアルハザードをポイ。
逃げた先で(ver1.0では自分から突っ込んで10ダメージを受けた挙句)無様に命乞いをするもアレスに始末される。ver1.1でも真面目にゲームを進めているとどのみち一撃でやられるぞ!
独立軍ルートでもやっぱり無様に命乞いをして、それを聞き入れ捕虜にしようとしたアレスへわざわざ騙し討ちを仕掛けたところ、
アレスに対処された挙げ句「ついうっかり」で殺されてしまった。急に不意討ちが来たので。
よって、全ルートで死亡したと思しき描写がある。実際その後どこにも登場してこないし、
何か今作絡みで新展開が無い限りは、全ルートにおいて死亡退場したキャラという残念な称号を背負う。

戦闘面でも闇22章以外は基本的に近づいても動かないので、魔法による経験値調整のカモ。
しかも魔法防御がそんな高くないので装備次第では最弱魔法のマジックアローでも通る。ダメだー!
詰み防止のためにも魔術師系キャラを1人は決戦まで温存しておこう。

他のキャラよりボイスも当然の如く少ないが、それでも中の人の怪演は際立つ。
戦闘ボイスは他キャラ並にあるので急いでなければ聴いてみよう。

~破滅を願う帝国の魔女~ ルクレチア・オリフラム

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■性別:女  ■年齢:14歳  ■初期クラス:カースメーカー(魔術師)  ■声:福圓美里
■職業:帝国国教会総主教代理

帝国の国教「クロニク教」の教皇代理。お祖父様大好きっ子。
肩書きのほうでは総主教代理となっているが、祖父(教皇)以外の存在に対する言及は作中に無いので、これは単に教皇が総主教を兼ねているだけのことと思われる。

現在のルクレチアは魔女とすら呼ばれ、敵味方から畏敬の念を抱かれる存在だがもともとそうだったわけではない。
祖父が病に倒れ教皇代理になった後(この若さでですよ)、教会内の改革を行おうとするが汚い大人や貴族に妨害されてしまってからのことである。
敬愛する祖父の病状が不治の病だと判明したのも大きい。
結果、すっかりソウルジェムが濁り魔女化。中の人的にはストライクするほうのウィッチ。
…人気アニメの話はさておき、件の出来事から自分を含む世界の破滅を願うようになり、
下僕のフェル君が聖地レイテルでアルハザードを拾って野心に走ったこともを知りつつ利用していた。

告白成功時のアレスへの態度を見るところ、哀しい表情で「私は…アンタの…」と何やら思わせぶりな発言をしている。
また、告白失敗の時には「アンタの親は私が殺したも同然なのよ?」と言うので
アレスの父の殺害事件にも関わっていたか知りながら見過ごしていたようにも思われる。
告白成功時は「良いんだ」とまで言ってのけるアレス、何でもお見通しなのか。溺愛っぷりがすごい。

ところでクロニク教とは、設定資料集によると異端のルシリス教であるらしいが、
本家ルシリス教とどう違うのかがよくわからないため、教皇の立場もよくわからない。
会話イベントを見る限り、今作特有の設定は見られないので、現実世界の教皇と同じようなイメージでいいのだろうか。
10回目の会話によると、とりあえずルシリス教よりは戒律が厳しいそうだ。
ルシリス様を担ぐ光輝軍と真っ向から敵対しており、かといって闇軍勢を信奉するわけでもないのだから(あくまでアルハザードだけが信仰対象)、カオスよりルシリス側から派生した宗教が必要だったのだろう。
クロニク教が帝国誕生以前から存在するのかどうかは不明。

同じ宗教の代表という共通点からか、子ども扱いされると怒ることを含めジェシカ様と対比させられるような描写が多い。
本編の戦闘中イベントでは、わざわざジェシカのほうから絡みにきてくれる。
そしてあっちが魔法少女なら、こっちは中の人からして魔女だし、件の魔女キャラとはなんと設定年齢まで一緒である。

ルシリス様におけるジェシカ、カオス様におけるボーゼル、
そして帝国では皇帝におけるルクレチアと、帝国にもトップとは別に行動する人物を用意したかったのだろう。
光輝ルートでは旧作でのボーゼルのような役どころをしている。
帝国ルートで仲間にしても初期クラス名からして「カースメーカー」……それでいいのですか教皇代理。作中で教皇っぽいことはほぼしていない…。
ちなみに「カースメーカー」になれるのはルクレチア様の他には序盤のモブ帝国兵と闇兵だけ。こいつらはAIの性質上、サンダーはまず絶対に使ってこない。
なのでサンダーは事実上ルクレチア様専用スキルである。
一方、今作には「ハイプリエステス」(女教皇)というクラスもあるが、ルクレチアはこれにクラスチェンジ不可能。キャラ設定上、既に女教皇だから、ということだろうか…?ちなみにジェシカ様はこれにクラスチェンジ出来る。

ルクレチアは、ジェシカ様から「昔同じような目をしている人を見たことがある」と言われる。
性根は優しいが色々あって自分を含む世界の破滅を願う人物というと『ラング2』のソニアが浮かぶところである。
それでもアルハザードを使ってカオスを復活させようと考えなかったのは、異端とはいえ一応はルシリスを信仰していたからか、それとも本来持つ優しさが避けたのかは定かではない。

事情通ぶっているが、実際に会話してみるとラングリッサーについては知らない、
アルハザードについてはよくわからないと言う他、
独立ルートではヨアの計略に気がつけなかったりもするため、頭脳面はどうも信用ならない。
しかし帝国ルートの最後では外の世界の薬草で不治の病と言われた祖父の病気を治す。ただの口先だけではなかった。
帝国ルート、聖地でのアルハザード覚醒の作戦でも特に迷いなく発言していたりする。
単にとぼけているだけのときと、素でボケていたときとで言動に差が無いので、発言を追っていくのは大変。

軽く流されがちであるが、今作では戦争が終わっても立場や考えが特に何も変わらない、一切会話しなくてもエンディングでなぜそうしたかわかるキャラが多い中で、
ルクレチアに関してはなぜ世界の破滅を願わず教皇の病を治す研究を決意したのか、エンディングで新天地のことに明るい希望を抱いているのか、会話を全部見ないとわかってこない。逆に言えば会話でルクレチア様の考え方が変わっていくのが見られるので、会話のしがいはある。
撤退数0&グッドエンドにすれば勝手に迎えてくれる結末であるが、内容自体は会話イベントでのプレイヤー(アレス)のアドバイスが伏線になっているのだ。幾度もの会話により実現したと思しきこの体裁、キャラがキャラだけに特別な感慨を得られるだろう。
なお会話を全部見ても最後なんでそうなったのかよくわからない人にミシェルがいる。直前までの展開と結びつかないので…。

敵として出るとクズにしか見えないリュグナー司令と違い、
光輝ルートではアレスを誘い出すために民間人を攻撃するも、
闇ルート9章のヒルダ(の部下のおっさん)と違いその後危害を加えたりしないし、
方舟での貴族殺害も目的のため&過去の出来事から貴族が気に入らないからとも取れるし、
最後には逃げるもののギリギリまでフェル君のために戦う。
独立軍ルートでは貸しよと言いながらフェル君の命令で滅びゆく帝国と運命を共にする。
戦闘前のセリフでは「理想と正義を振りかざすお前たちが気に入らない」と魔女化する前の自分を重ねており
最後の台詞は「なんで私が負けなくちゃいけないのよ・・・!」と現在の自分を否定されて以降出番なし。
台詞からして生死が定かではないが、「もう会うこともないと思うけど」と言っていた光輝ルートと趣きが違うので描写されないその後が気になる。

闇ルートに至っては退屈なはずの演説に出て、
ガエアサルの砲撃を受けた時には皇帝を放置して全員で突撃する正規軍と違いフェル君の近くから動かず守り、
最終的には光輝ルートのように逃げるという選択もできたはずだし、世界の破滅を願うなら闇についた方がいいはずなのに、
アルハザードを捨て目的の役に立たなくなったはずのフェル君と共にグレートデーンで戦う。
こんな感じで本来持つ優しさやフェル君のことを結構大事に思っている描写が見て取れる。
それだけに帝国ルート本編で「だってアンタ皇帝じゃないってバレちゃったじゃない」とフェル君の見限りっぷりが浮くが、
告白の時にはフェル君の名前を出すあたり、色々思うところはあったんだろう。

そもそも光輝ルートと帝国ルートでは、本編中に「ルクレチアが皇帝をフェルと呼ぶ」シーンがただの一度も出てこない。
独立軍ルートではフェルと言うものの独り言のようなので=皇帝とはすぐ結びつかず、
闇ルートの皇帝の自己紹介を見て初めて線で繋がる。
その為いきなり帝国ルートを進んでいくと、告白イベントで急にフェルという誰かわからんけど多分昔の男の名前をだされ、こっちはそいつがどんな男かもわからずひじょーに気まずいままアレなあのCGを出迎えることになる。プレイがハード過ぎましてよ。
4ルートそれぞれで異なる一面が描写されつつ、全部クリアしてはじめて情報の全容が掴めるキャラクターなのである。
ジェシカとの対比といい、他のキャラクターでもシナリオで同等の数の仕掛けが欲しかったところだ。

また敵としても、強さ面でも光輝軍6人を相手に一歩も引かないどころか全員返り討ちにする6章の他、
闇22章のダークワンド装備のために基礎ダメージ8のファイヤーストームからのキャノニアなど、要所要所で結構印象深い。
開発スタッフの思い入れを感じられるキャラだが、意外にもラスボスにはなれなかった。

固有スキルは「魔術の素養」。ジェシカ様と御一緒。
ここでもジェシカ様との対比が行われている。
ルクレチアのスキルは、単純に考えるとメテオもなくトルネードがいいとこなので
ジェシカ様の下位互換か、となめられてしまいそうだが大間違いである。
確かに直接戦闘では魔法少女ジェシカには敵わないが、
下僕(ストライカーユニットではない)の扱いがうまいルクレチア様はアークサマナーになれる。
呼び出せるバンパイアロードと、隠しアイテムでなく18章で普通に手に入るダークワンドにより
アゲイン→威力10ファイヤーストーム次ターン即威力10ファイヤーストームという必殺コンボが可能。
ルクレチア様より早いエルマかフローレ様を増援のトリガーにすると相手のクラス次第だが行動前に3連魔法まで可能であり
覚悟を決めて出てきたボス版ジェシカ様も1回目でバリスタを全部消され、アゲインで護衛のマリエルがヒールbotに陥り、
次ターンで順番が来る前に切り札のロザリアさんが戦闘不能に追い込まれ泣きながらファイヤーストームをするしかなくなる。
これだけでもめちゃくちゃなのに、アレスという名の下僕2号が魔術師タイプだと基礎威力12のメテオで同じことができる。
威力12メテオを耐えられる傭兵は、隠しシナリオを含めてもクルセイダーのみ。しかも9ダメージなので実質戦闘不能に。
そんなものが2~3連出せるのに加えて魔女の一撃もある。耐えた瀕死の指揮官には自ら手を下しても焼いてもいい。
多分ハリボテ列車砲ガエアサルより強い。ジェシカ様と手を組まなくて本当によかったと思う。

そんなわけで仲間ではシュゼットさん、ツバメ、コニー、ヒルダ、ジェシカ様と並んで最強キャラの一角、
下僕込みではコニーとルクレチア様の2強である。帝国軍やばい。

~帝国を取り仕切る宰相~ フロレンティア・ユースティーツ(フローレ)

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■性別:女  ■年齢:22歳  ■初期クラス:エクソシスト(僧侶)  ■声:本多真梨子
■職業:帝国宰相

「エリュシオン計画」を任されている帝国の宰相で青き妹。姉と違って露出が少ないが、実は紐パンらしい。
さすがに責任者だからなのか、会話の約半分がエリュシオン計画に関係ある。逆にそのせいでキャラの掘り下げが浅いのが痛い。
簡単にわかることは、カルザスの侵攻で両親を殺された後に法学院を首席で卒業、
議員であった父と同じ道を辿り努力とツバメを使った手腕によりこの若さで宰相になったようである。

エリュシオンとは、現実世界におけるギリシア神話での海の果てにある死後の楽園を指す。今作においては新世界を意味しており、計画の全容としては方舟を使ってガイアの門を越え、国民を移住させるというもの。
4章でのフローレ自身の発言と、帝国8章でのヴェルナーの解説から、当初のエリュシオン計画は貴族だけを移住・救済の対象としていたようである。
フローレはその方針に反対しており、平民も含めて少しでも多くの人命を救うべく、恐らく皇帝からも隠れて独自に動いている。後述するコニーの件も含めて、人選に問題のある役職が多いようだ。
そのため最初の方からツバメを使って色々している描写が見られ、1章では皇帝がなぜボルスレーヌを狙ったのかを探らせ
そこからラングリッサーとボーゼルについて知ったと思われるフローレ様は
(3章では無駄なターン発生でアレスたちを苦しめ)
7章ではローシェン城のあたりにリコリスがいるという情報を得て、主力がボルスレーヌからブリアード橋に向かった隙をつき
ヴェルナー将軍を始めとした軍勢でローシェン城を電撃攻略する、
闇12章ではツバメを避難民に紛れ込ませ闇の城に潜入させてかく乱しリコリスを連れ去ろうとさせるなど、
少し考えないとわからないところで軍師っぽさを見せている。周回して色んなルートを遊ぶ必要あり。
一方、直接軍を率いての指揮には苦手意識があるらしく、
ヒルダとの軍事演習でも普通にぶつかり合ったらヒルダには勝てないと認めたり、
帝国ルートのバッド寄りEDでリコリス派と内乱になった際のルクレチア個別EDでも、
ルクレチアが出ていくととっとと退却したという話が聞けたりする。

その後、帝国ルートでは実質主人公パーティ内における帝国勢のリーダーを務め、最初はアレスのリコリス捜索を手伝い
(闇の軍勢の弱体化と、皇帝がボーゼルの印を持たないこと&リコリスが持つことからリコリスこそ真の皇位継承者でエリュシオン計画に必要と考えたと思われる)、
後半はオウトクラト4世自身を排除、計画通りにリコリスを新皇帝としてアルハザードを持たせて、最後には粘る光輝軍とボーゼルさえ退け、エリュシオン計画を理想形で成就させることになる。
戦後は光輝軍まで協力を願い出てきたそうなので、帝国ルートこそモブを含め最も人死にが少なく、人道的な結末となっている。なんだか意外。パツィルさん・・・
会話でのカルザス貴族の喩えをはじめとして、国家全体の意向より自身の正義を信じるヒューマニストであることが感じられる。

一方、光輝ルートではどういうキャラなのかエリュシオン計画含めてよく分からぬまま、
終盤ボスとして出てきてそのまま戦死してしまう。
帝国ルートをやったあとならリコリスとエルラード遺跡にやってきた理由、そのままヴェルゼリアに前線基地を作るなどリコリスにこだわっていた理由や
16章でリコリスからボーゼルの印が消えたために「エリュシオン計画は実現不可能の段階に来た」と考える理由も分かるのだが
帝国ルート未プレイだと感慨がわかないし、その後は彼女不在でも光輝軍がエリュシオン計画をあっさり引き継げてしまうので結構な部分で台無し。それこそ、フローレが存命しているなら不可能ではないと思えるが、よりにもよって明確な死亡描写のある光輝ルートのオチがこうなっている。

また闇ルートではリコリスがボーゼルとして方舟を不思議パワーで動かしてしまうのでまだわかるのだが
独立軍ルートにいたっては聖剣魔剣2本ともなしでもヨアとコニー、その他ボランティアの力で方舟は新世界に飛び立ってしまう。フローレもラングリッサーも要らんかったんや!

肝心の帝国ルートでは、フローレはアルハザードを方舟の強化、ラングリッサーをアルハザードの制御に使おうとしていた。
どちらも帝国ルート本編で達成できており、他ルートより方舟の機能は向上していそうなので、その点でも何か他ルートとの描写の違いが欲しかったところである。

敵として出てくると印象に残らないが、味方としてはフローレ自身の戦闘力が意外と高く、ヒールで無限稼ぎできるし、
ジェシカ様からオーブを奪わなくてもほぼ最速で動けるため増援のトリガーとして起用しやすい。
とりあえず最後の敵はフローレ様で倒しておけば増援があっても残りの味方で対応できるのが非常に良い。

固有スキルは専用の「軍師」。
行動順が早くなるという一見すごいスキルだが、ユースティーツ姉妹とルクレチア様は隠し特性として元々行動順が早い。
オーブを持ったまま戦士系にクラスチェンジさせていった場合アークメイジ周辺の行動順になる。
なので僧侶にすればほぼ最速、エリートスナイパーでも敵のしょぼい魔術師より早く動けるためあまり意味がない。
アレスが飛兵ならワンチャン使えなくもないが、有用性ではリジェネレートか移動力+3に優位を取られるので
せめて同じ軍師のトワ師匠がこのスキルの方が便利だった。

ユースティーツのスペルは、限定版の設定資料集だと「Jüstite」となっており、
ユをYuと表記せず、Jüとしている。ちなみにこれだと、読みはジュウである(ドイツ語読みならユ)。
後半部もティーツと読ませるには厳しい。どうしてこんなにしたし。

海外版でのスペルはさらに違っており、Justice(ジャスティス)。なんと「正義」の意味を持つあの単語になっている。キャラのバックボーンを受けての改名だろうか?
もしかすると、設定資料集の中途半端なスペルのほうが翻訳チームに伝わり、そこから良くしようとした結果なのかもしれない。
何にせよ、海外ではユースティーツ姉妹ではなく、ジャスティス姉妹なのである。

~帝国宰相の懐刀~ ツバメ・デウラ

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■性別:女  ■年齢:16歳  ■初期クラス:レイダー(歩兵)  ■声:田村奈央
■職業:フローレのお側仕え

帝国の東の国にある「忍びの里」の出身。ドーモ、アレス・ロッビーナ=サン。ツバメです。
本作のキャラクターは衣装のデザインが左右対称になっているキャラがほとんどだが(恐らく会話シーンで立ち絵を反転して使う必要があるため)、アレスとこのツバメについては知ったことかとばかりに装飾が違う。細部まで描き込まれたデザインがいい感じである。

「忍びの里」は内戦により壊滅してしまったそうであるが、会話イベントでの里の思い出話はすごく少なく、たまに話題に挙がる程度。
大体東の国の食べ物や文化のことかフローレ様のことばかり。
東の倭国出身の霧風という人物が、今作より過去の物語である『ラングリッサー3』に存在する。
彼と違い名前が「出浦 燕」みたく漢字でないのは帝国に帰化したからだと思うが、
肝心の東の国については会話からも本編でも見えてこない。
そのため滅びた忍びの里のある国と旧作の倭国との関係は不明。
一緒だとすると、『ラング3』の時期から何百年経っていても文化が発展していないことになってしまうので、東の国は倭国とは無関係な、日本に似た何処かということだろう。

何気にニンジャマスターになれるポリアルと闇ルートでは一応ちょっと絡む。
また、主君に同じく仕える身としてマイヤとも絡みがちょっとある。
偵察から奇襲まで本編ではいろいろやっているが、
1章の最後と闇ルートでの避難民に紛れたかく乱を除き、基本的には任務達成して帰ってきたところだったり、
間が省略されたりと肝心の活躍内容が端折られていることが多く不憫である。無念だ…。
里が壊滅したあとフローレによって拾われており、特集サイトでは処刑されそうになったところを救われたとある。
そのためフローレ様大好き大好き状態で、会話のきっかけもフローレ様に友達になるように言われたことからだし
会話の大半でフローレ様の名前が出てくる。
誰に処刑されそうになったかまでは記載が無いが、フローレの管理下に置かれており、他の帝国メンツとも特に仲が悪いような描写は無い。
16歳という設定年齢にしては少々言動が幼めであるものの、里が壊滅したことによる幼児退行など、そういった裏設定がもしかしたらあるのかもしれない。
何より気になるのは、怒り顔や動揺したときに、立絵の瞳が赤く染まることだ。忍者だから……なのだろうか。
なお、別の世界ではあるが、東の方に目が赤くなる忍者みたいな時を止めるメイドがいる。参考にされたかは分からない。

光輝ルートではフローレを亡くした次のステージでも登場、
プレイヤーに倒された際には「いつか必ず殺す!」という捨て台詞で撤退。
以降まったく登場しないので余計に後味が悪い。エンディング後のアレス達が心配である。
なお闇ルートや独立軍ルートでは先にフローレ様を倒しても特に何もないので、二人とも生きているのかもしれない。

固有スキルは「トリックスター」。さすがニンジャ。アイエエエ。でも微妙。
それよりも本人の能力がやばく、隠し特性として移動力が他の人より1高い。
スキルの移動力+1と違って傭兵には効果がなく本人のみであるものの、
セイントにしても6になり、マスターレンジャーは7である。行動順も早い。
素直にニンジャマスターにしてククリナイフを持つだけでも強いが、
このゲームではシュゼットさん、ヒルダ将軍と並んで(キャラメイク次第ではアレスも可能)、
軽業バリスタ(キャノニア)による人間大砲が可能なキャラである。
旧作のテレポートバリスタ、移動力+1or+3の人間大砲アレスには劣るが、それでも毎ターン移動力5のバリスタが人間狩りを始める。
シュゼットさんより移動力が高いためバリスタの可動範囲も広く、敵がメテオを撃ってこない帝国ルートではやりたい放題。
動かない敵はコニーが単独で突っ込むより安全に早く大量に爆発していく。寄ってきても迎撃されて終わり。
ミスして魔法を受けてバリスタが削られてもヒールを覚えるため戦闘を継続でき、
告白スキルと装備によるサポート無しの単独戦闘力では間違いなく最強キャラである。さすがニンジャ。クラスチェンジしていかないと本物のニンジャにはなれないが、最初からけっこう強い。
ルクレチア様と下僕2号アレス、コニー、ツバメ、ヒルダだけで全世界を征服できる。
これだけの実力がありながら忍びの里では下っ端だったらしい。帝国が忍びの里を恐れるのもわかる。

~冷酷無比な帝国将軍~ ヒルダ・ユースティーツ

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■性別:女  ■年齢:23歳  ■初期クラス:ホイールライダー(騎兵)  ■声:荒浪和沙
■職業:帝国軍将軍

帝国の将軍でフローレの赤き姉。
「無慈悲の女神」という二つ名で知られており、妹とは違って正面から戦う武闘派。
フローレとあまり容姿が似ていないが、2人はそれぞれ父と母に似たのだろうか。
名前を見れば血の繋がりがあるのはすぐに分かるものの、
作中でフルネームで表記されたり呼ばれたりする機会は会話以外ではないため、
設定資料集などで情報を得ていないとなかなか判明しない。
しかしフローレが姉さんと呼ぶ機会は結構あるので、会話していなくてもなんとなくは分かるかもしれない。

なお青き妹と赤き姉という単語は、『ラング5』プロローグの碑文でも刻まれており、
「赤き姉」が「無慈悲」な女王だったこと、空ゆく船が民を見下ろしていたことまでは今作にも一致している。
『5』の作中で、この妹と姉とは二つの月(ペイリアとクリムゾ)を暗示していたということまで判明するのだが、今作でのユースティーツ姉妹のキャライメージなど、結構参考にされていたのかもしれない。

よく「あらー」とか「あらあらまあまあ」と言うせいでのんきな印象を与えるが、
特集サイトではどんな恐ろしい作戦でも微笑みを絶やさないという、危ない人めいた書かれ方をしている。
事実、ゲーム冒頭では、大勢の市民を巻き込むボルスレーヌへの侵攻を意気揚々とやっているように見える。
また、2章や闇9章では部下に民間人への攻撃を命じたりもしている。
攻撃的な気性はオウトクラト4世の意向とも合致する機会が多いのか、フローレよりも重用され贔屓にされているようだ。
なお中の人の演技はギャル寄り。これでもケルティスやユリアンよりは言動が落ち着いているように感じられる。

会話イベントでは、敵に対して非情さを徹底的にアピールすることで、不用意な戦い自体を避けられるとの考えを持っていると分かる。
ヒルダの固有スキルが「リジェネレート」というのも、本心的には再生や救済を願っているという暗示なのかもしれない。それとも単純にエネルギッシュな女戦士ゆえのものか。
幼い頃、光輝軍の攻撃(その中にオディロンもいた)により両親を失ったという暗い過去を持っている。
現在の人格形成にも影を落としており、両親死亡時に逃げ出した(と、ヒルダは誤解していた)フローレとは、帝国ルート本編で和解するまでわだかまりがあったようだ。
そのわだかまりのせいで一度抜けるため、帝国ルートでは一番会話回数が少ない。痛い。
なおユリアンとオディロンも光輝ルートで和解イベントがあり、対比が行われている。

ヒルダは光輝軍のロザリアと同じく、兵種が騎兵である。
ただし彼女は帝国の兵らしく、馬ではなくバイクに跨っている。金の鎧に赤い布地のコスチュームと、色合いもロザリアとは対になっている。
少なくとも見た目ならロザリアのほうが妹役に適任なのでは…まあ中身でだめか。
露出度はヒルダのほうがロザリアより上。会話イベントから巨乳スキーなアレスも正直目が放せないことが判明。
背面の設定画は公開されていないが、歩行形のクラスにして上に移動させるとヒルダは髪をストレートに伸ばしているのが分かる。
このように、デザイン的なところではロザリアのことをよくよく意識した構成になっているが、二人の間には何故かイベントがまるで無い。両軍の女性エース同士、何か交流があるだろうと思いきやそういうのはヴェルナー将軍にしかなかった。もったいないところである。

カルザス王国を滅亡に追い込んだ張本人であり、ユリアン&オディロン絡みでイベントがある。
光輝ルートではプレイヤーに敗れた際、妹であるフローレ共々死亡してしまう。
死に際にユリアンに満足したかと尋ねるも、ユリアンは複雑な心情を吐露していた。
その反応にまた思うところあったのか、苦悶は見せずに事切れた。
王国滅亡当日の件は回想をつかって丁寧に描かれたりもしないため、三者の心境は何とか頑張って想像するしかない。
ちなみにヒルダが仲間になる帝国ルートでさえ、一度も撤退せずに済ましたとしても、エンディング(スタッフロールのほう)で話題にされるのは「ある闘いで突出してしまい、そこで安らかに戦死しました」というエピソードだったりする。そんなに彼女を死なせたいんか。
プレイヤーの手で、せいぜいフローレと共に使ってあげるくらいしか慰めがない。

告白スキルは上にあるとおり「リジェネレート」。あっても殆ど無意味なリコリスと違い
魔法に弱い上基本ヒールを持たないため治療などで止まりがちな騎兵との相性は非常に良い。
ククリナイフが持てないため機動力では劣るが、騎兵なのに行動順がめちゃめちゃ早く
複数から魔法を連続で受けるヘマしない限りは魔法で止まらないため
単騎突撃ならMV10コニーよりも継戦能力が高く優秀。強キャラだらけの帝国軍でも十分に一線を張れる。
突出しても死ぬ要素がないのだが、エンディングではメテオ使い軍団の中にでも飛び込んでしまったのだろうか。
しかしヒルダ将軍は人間大砲ができるため、そっち役にする場合は基本いらないスキルになる。
ツバメも可能だが、二人いてもあまり意味はないのでどっちかが大砲になれば十分。
ヒールがないので事故防止にツバメを大砲にしてヒルダをバイクにし突撃するのがよいと思うが、お好みで。

~熱き魂を持つ帝国軍騎兵隊隊長~ ヴェルナー・ダイム

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■性別:男  ■年齢:24歳  ■初期クラス:ホースライダー(騎兵)  ■声:石川界人
■職業:帝国軍騎兵隊隊長

艶のある笑みが印象的な帝国の男性将軍。鉱山街である地方領主の息子で、ゲームには出ないが姉がいる。
彼もまた貴族とも平民とも取れない微妙な立場から並ならぬ努力の末に現在の地位を勝ち取ったようで、
設定資料集によると由緒正しき帝国貴族からは疎まれているようである。
そんな背景もあって、何か自身に通じるものを感じたからだろうか、国内では少数勢力であるフローレ派を自認している。
帝国貴族にはあまり良い印象がないようだが、
「ユースティーツ家のお二方は別」と尊敬しており、嫌いなはずの式典でも招かれれば出る、
他にも名門貴族ではあるがクリスは気になる人、
騎兵隊の新人は貴族でも平民でも実力があれば気にしない、新人を大事にするなど、作中でも屈指の懐の広さを持つ。
また部下を持つ立場で酒を飲んでハメを外すのはよくないという考えがあり、アレスの前で酒に酔って前後不覚になるシュゼットさんは猛省するべきである。今作の光輝軍のモラルが心配。

7章ではロザリアさんがヴェルナーと戦うことを楽しみにしていたり、光輝ルート23章では「ロザリアさんとは好敵手である」と仲間に言われたりするが、
クラスチェンジも騎兵と飛兵で第5クラスになれてルートの方向が同じである。
他にも恋愛小説について聞かれると「色恋を空想の世界で済ませなければならないほど、俺は枯れてない」と否定するので、
人間性以外に趣味の点でもロザリアさんと対照になっている。
上司にしたり仲良くするなら絶対ヴェルナー将軍の方がいいです。
幸か不幸か、ゲーム内でロザリアとヴェルナーを同時に仲間にすることはできない。
所属軍が違うのでどうにかロザリアさんの立場は保たれる。それにまだ若いし大丈夫。

ゲームを通して見ていくと、グレスデン帝国内ではどうやら貴族至上主義ともとれる体制が敷かれているようだが、今作に登場する帝国メンツはその恩恵をあまり受けていない人物のほうが多いというのが面白いところ。

ヴェルナーは騎兵隊を率いており、同僚や部下がバイクに乗る中、自身は馬で駆けるというかなり正統派な騎兵。
会話の内容の殆どは騎兵隊や戦いに関わることで、さすが将軍という感じである。
ゲーム中に帝国のホースライダーは彼くらいしか見かけないので、相当浮いたことをやっているという可能性がある。
馬について深い考えや知識があることも会話で判明する。生粋の武人としては、やはり生きた馬のほうが性に合うのだろう。
なおクラスチェンジではヘビーソプタ(飛兵)系への転身も可能で、間違っても機械の扱いが苦手だから、といった線は無さそうだ。
愛馬のヴァランガは白馬らしいが、ドットでは白くない。ヴェルナーの鎧は白なので、ドットにした際でも見やすくするためこうなったのだろうか?
また飛んでしまうとトワ師匠と違ってクラスチェンジの最後に馬に戻ったりもしない。愛馬はどこかで休ませてあるのだろう。
帝国ルート8章では、あらかじめ一周目で飛行機械に乗せていると、
登場直後の中立状態ではヴァランガに乗って現れ、アレスの指揮下に入った瞬間機械に乗り換えるというトリックプレーを見せる。

ヴェルナーはヒルダと会話するシーンが多く、2章などでは露骨にへりくだった口調で接している。ともすればヒルダの部下であるかのような調子だが、ヴェルナーは作中で何度も他キャラから「ヴェルナー将軍」と呼ばれており、本来はヒルダと同格のはず。
それでもヒルダに敬語なのは、前述のユースティーツ家に対する尊敬があると思われる。
なお設定資料集では、ヒルダについては将軍と明記されているものの、ヴェルナーのほうはあくまで騎兵隊隊長という肩書き。もしかしたら途中で設定に変遷があり、一部改稿が追いついていないのかもしれない。
そんな彼の役どころとしては、シリーズ恒例の「帝国軍所属だけどやけにイケメンで信念を持つキャラ」を狙ったものだと思われるが、帝国のストーリーはユースティーツ姉妹が動かしており、ヴェルナー自身はメイン級から外れている。
冒頭でアレスをあえて見逃していたり、
(帝国ルートで皇帝と戦うときに出撃させていると先代皇帝を尊敬していたように取れる発言をしており、
1章でのアレスを見たときの反応は先代の面影を見たという可能性もある。)
ボルスレーヌから一気に飛んでローシェン城を電撃攻略していたり
アレスのほうは『デア』のレオンとの邂逅のようにヴェルナーを信用したのをきっかけに帝国派へと傾倒していく形になっているため、
シナリオ上の貢献度自体は大きいものの、自軍加入以降は目立った活躍がぱったり途絶えてしまう。

しかし戦闘力はさすが将軍だけあって、能力の基礎値が高めな上、飛行第5クラスにもなれることの他、
部下を大切にし人望があるからか、隠し特性として傭兵の雇える数が1人多い。行動順も早め。
騎兵では他のキャラでも4名雇えるので目立たないが、
飛行にするとロードオルニソプタの時点で4雇えるため、本人のステータスが高いことと
行動順が早めなこともありトワや告白スキルなしのコニーより強い。
また敵としても大抵ヒルダとツーマンで来て苦しめてくる他、
闇ルート21章では『デア』の「大陸最強の騎士」や『ラング3』の「美しき都ラーカシア」を彷彿させるような強さとステージ構成、
またライバルであるロザリアさんとの共闘はラングシリーズ(と一部『グローランサー』シリーズ)に通じる
「敵対していた者同士が協力し、黒幕または真の脅威に立ち向かう」という流れを汲む見せ場であり、
(残念なのは脅威役がプレイヤー側で、こちらにはそれを受けられる機会が帝国ルート最後の増援レナくらいしかない)
設定資料集の「心強い味方」、「手ごわいライバル」という説明に恥じないキャラになっている。

本編でも輝いている彼だが、彼の魅力が最も光るのは、やはり今作の会話システムにおいてだろう。
頼れる兄貴分として、ファンタジー世界観を交えながらの各種雑談はかなり乙女ゲーじみている。
しかし内容は登場人物の中でもトップクラスに重い。文章量も話が長い設定のヨアより多い。
また15回目の会話の内容が闇ルート21章のクリスのセリフや行動にかかっているので、知っていると感動が増す。
男性キャラは数が少ない分、それぞれの会話での立ち位置はハッキリしており分かりやすい。
無難に恋愛ADVにしていればまた今作の評価も違ったのだろうなぁ…。

告白して得られるスキルは「攻撃力+4」。
残念ながら前述の通り本人の能力が高く、また帝国ルートは固い敵が傭兵のクルセイダーと25章のダークガードくらいで
さらに闇、独立軍と違い25章で敵が第4レベル9、ボスが第5クラスにならないためあっても意味がない。
スキル目当てに付き合ってしまうと大変微妙だが、
飛兵にするとアレス抜きでも、3人クイック2人軽業による移動力10軍団(+アゲイン)の超高機動戦闘ができる。
エンディングを見る気がなくても、とりあえず育てておいて損は無い。
しかし帝国にはルクレチア様、コニー、ツバメ、ヒルダの4強がいるので
この強さでも増援起点フローレ様の専属クイック係に落ちる可能性がある。帝国軍やばい。

~民を思う誇り高き帝国貴族~ クリスティアーネ・フォン・プリンツ・フランダル・ポエティア(クリス)

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■性別:女  ■年齢:18歳  ■初期クラス:アーマーセンチネル(槍兵)  ■声:櫻井浩美
■職業:帝国軍歩兵部隊中隊長

名門貴族、ポエティア家の出身。ヨアは家庭教師。
フルネームの長さは1回目の会話でしっかりネタにされる。肩書きのほうも地味に長い。

優秀な兄達がいる中、自分が劣っていることをつらく思い、何か役に立ちたくて軍に志願。
貴族は民を守る者という考えから、槍兵になり常に最前線に立とうとする。
手柄を欲しがる焦りもあって、先走ったりして失敗を繰り返す。
独立軍ルートではそのこともあり帝国での立場が悪化。
通算7回目の敗北の後、もう帝国には戻れないとアレス達の元に下る。
(なぜか闇ルートでは9回負けても皇帝の城の警護を任されたりしているのは謎。人手不足?)

同じ貴族でありながら、
人の話をまるで聞かなかったり体裁を保つために恋愛小説好きを隠したりと意外と性格の悪いロザリアさんと違い、
根は純粋で涙脆く、3章ではヨアやコニーに対する気遣いを見せる他、アレスの詩やプレゼントで涙したり、
アレスが怪我をしたときは心配のあまり自分の家の名前をナチュラルに間違えたり(誤植じゃないと信じたい) する。←写真が添付できるなら張ります
そのためあまり貴族が好きではなさそうなヴェルナー将軍にも良く思われており
闇ルートや独立軍ルートでは結構いい関係だったような描写がある。
また、虫が嫌い。ノエミもそうなので、
もし今作に『ラング1』で出てきたクイーンアントがいたらエルラード軍は負けていたかもしれない。

しかし、会話では虫に勝つためにアレスに剣術を習う、最後では1対1で虫に勝つなど、
今作キャラの中でも数少ない「会話の中に流れがあり、一つの話として成立している」キャラでもある。
撤退数0では戦争の活躍から兄達に認められたのか、妹なのに当主になり繁栄したらしい。
帝国を出て家をピンチに追い込んだ独立軍ルートでもなぜか変わらない。

ここまでの行動背景は光輝、闇ルートではまったくわからず、
勝手に飛び出しては自滅するバカなザコにしか見えない。特に闇13章での行動はどうしようもない。
登場回数も多すぎて、味方にならないルートの全ステージの約1/3は顔を出しており、
その度に爆発四散する。許せませんわ。

ラングリッサー1作目のヒロインの名前はクリスだったので、
さぞかし重要なキャラだろうと思いきや、出番こそやたらあるが方向性的には真逆の存在。
今作のクリスにしっかりヒロインをやってもらうには、帝国ルートに進み毎回会話してあげないとダメ。良キャラを埋もれさせることに関して定評のあるラング転生であった。

味方になっても剣術が苦手な設定のせいでオディロンと違いオーバーロードになれず、
槍でも闇21で活躍できる可能性があるケルティスと違い
ストーリー中で強い騎兵を一手に受ける機会がなく、どうも使いにくい。なんなんですの。
頑張って槍で育てても隠しシナリオでの最強の敵は歩兵。
騎兵兄貴を止めてもアドンにボコボコにされて終わる。こんなことがあっては。
ひとまずロードになればヒール1も使えて便利なので、隠しシナリオでも使う気なら槍兵は捨てた方がいいかも。
またクラスチェンジによっては空を飛ぶが、
専用カラーリングがかっこいいものの第5クラスになれず、クイックも覚えないので使いにくい。
能力面でも「ダメな子ほどかわいい」というキャラを立ててしまっているが、
独立軍ならともかく強キャラが多い帝国ルートでは活躍するのは厳しい。なんてこと。

固有スキルは「不屈」。同じスキルのシュゼットさんやレナよりキャラ設定にマッチしているが、クリスは元々硬い。
旧作と違いまぐれ当たりの1ダメージがない今作ではレベルが上がると殴られても反撃でもダメージを受けないため無意味。
魔法のことを考えても部隊全員に効果のあるリジェネレートの方が便利なため、がっかりスキルである。もー嫌ですわ。

ところが2016年9月になり、クリスの固有スキルは「オールキャンセラー」であるとの新報告が。更新データVer.1.1適用後の変化であるとしたら、これまで報告が無かったのも納得。
その効果は驚きの、デバフ効果の無効化である!
……デバフの効果が薄すぎてまるで実感できない本作において、「不屈」以上の外れスキルと言わざるを得ない。何せそもそも敵がデバフスキルをまるで使ってこないのですよこのゲーム…
バグか何かで他の部分にプラスの影響が出ていたらワンチャンあるかもしれないとか、苦しい擁護しかできない。なんなんですのぉ

~大空を見据える技術士官~ ヨア・ユテン

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■性別:男  ■年齢:21歳  ■初期クラス:ガンナー(狙撃兵)  ■声:井口祐一
■職業:帝国軍高位技術士官

帝国の技術士官。感情が理解できないといったりするよくあるインテリ系キャラで、人物としてはグスタフに似ている。
帝国ルートなら投降したグスタフを解析したりして欲しかったところだが、そういうシーンは無いので残念である。
頭がよく話が長いという設定だが、実は会話の文量はヴェルナーの方が多い。
ヨアの話ですら長いというクリスがヴェルナーの話の長さに耐えられるのか怪しいが、これも愛の力か。

外見からは穏やかな印象を与え、全く戦いに向いていなさそうだが、戦闘でもなかなか逞しい気概を見せる。肩書きに「高位」と入っているのは伊達ではなかった。ヴェルナーより背も高く、案外将軍並に目立っている男。
帝国における狙撃兵ということで、その得物も弓ではなく銃。カイエダ氏のイラストではビームでも撃ち出しそうなデザインになっている。残念ながら強襲型魔光剣のようにビームは出ない。
攻撃力がめっぽう高く、敵として対峙する場合は騎兵並に気が抜けない。しかし敵として出た場合はどのルートでも最終決戦前にフェードアウトしてしまうため
最後まで火力バカなシュゼットさんと違いいまいち強く感じないため影が薄い。

味方では最終的にはキャノニアを4体雇えるようになる。独立軍ならそれだけでスタメンになれるところだが、
帝国ルートでは最速宰相からの3クイック持ちに軽業バリスタorキャノニア、魔女と愉快な下僕たちがいるため残念ながら戦力外通告である。厳しい。

ヨアは薬品を扱う移民の商人の家の息子で、今作のキャラらしく、やはり苦学の末に出世を果たした。
コニーと同じく研究費に苦労しており、クリスの家庭教師をしているという設定もあり、お互いが戦場に出てもまだ付き合いが続いているという、中々おいしい役どころ。
飛行機械の開発を行っており、本人に操縦センスが無いため飛ぶこと自体は、後述する助手のコニーに任せている。
飛行機をテーマにしたキャラクターが二人も居ることで、「方舟」の本来望まれるべき役割についてプレイヤーが幾らか意識しやすくなっている。
頭はよかったようだが、残念ながらアルハザードは魔術であり化学ではないと宣言してしまったためギザロフ様やフェル君ほどの頭脳はないことが判明する。詳しくは『ラング5』をプレイしましょう。
クリス・ヨア・コニーの三人組はお互いの夢と人情で繋がっており、ギャグまでこなせるという貴重な人材なのだが、敵としてはあまりにもよく出て来るため何だか舞台である大陸が狭く感じられてしまう。
基本的に善人でもあるので、気持ち良く倒せる相手でもなく、プレイヤーの心情に対して手厳しい。もう少し気軽にぶっ倒せる敵は居なかったものだろうか。

クリス・ヨア・コニーは帝国ルートだけでなく独立軍ルートでも使用可能で、
3人とも育てておけば周回の際にプレイ時間を大幅に短縮出来る。
また、独立軍ルートではアレスもトワも差し置き、気付けばヨアが司令官のような役回りを担っており貫禄がある。
撤退無しEDでは天才的な作戦立案で貢献したと書かれるが、独立軍ルートならまだしも、
帝国ルートだとそもそもほとんどシナリオ上は喋らず、作戦もほぼフローレが立案しているため、
いつそんな活躍したっけ・・・?となる。
帝国ルートでは敵として出てくる他のルートよりも出番が地味なくらいなので、
ヨアのことが気になるなら独立軍ルートへ……と言いたいところだが、加入タイミングが遅いため最後まで会話イベントを進められないという罠がある。
独立軍ルートで育ててから帝国ルートで会話していけば最もムダが無いだろう。

告白スキルは「倹約家」。コニーと同じくお金のために戦い並行してクリスの家庭教師を続けている彼らしい能力だが、効果としてはなぜか消費MPが減る。お金関係ねえ。
しかも減る量が少ないため、メテオ使用程度ならマイヤの精神集中の方が空白時も回復し得であるためまるでダメ。
ヨア本人もほとんどMPを使うことはない。アンセルと効果がかぶっても消費金額減の方がよかった感じがある。

初期スキルまで「金欲」。金に飢えてる。
しかもヨアと同名のクラスにつく帝国のモブガンナー達も、みんなして「金欲」をセットしている。
ヨアのステータスを使い回しているだけだと思われるが、
他のクラスのスキルと違ってキャラ個性に依存したスキルなので違和感が強い。
こじつけるなら、狙撃兵部隊は予算が少ないとかだろうか……。

あえてクラスチェンジで槍兵にし、マップ上で行動するターンになると、
頭上で槍を一回転させた後さっと構え直すというやたらスタイリッシュなことを連続でやり続ける。
案外自己主張の激しい男であった。

なおヨアの会話から出てくる「トーマス・ノイマン」という人物が海洋鉄道などを作ったなど
旧作ではまったく出て来なかった人物名と設定を言うので混乱が深まるところではあるが、
16回目の会話で出てくる「月を目指していた」というのがかなり大きい情報に思える。
ラングリッサーの世界には月が二つあるが、デアのオープニングでは赤い月の方は「凶星」と認識されていることから考えるに、
ノイマンが目指していた月は青き月ペイリアのことであると思われる。
このペイリア、『ラング5』の最後で消滅しているため目指しようがない。
もし仮にノイマンがペイリア消滅後の赤き月を目指していたとしても、
やはり『5』の最後で離れてしまう(エンディングで「夜空から消え去った月」と表現される)ので観測は難しい。
そもそもまず200年に一回近づく星のことを知った上で、そこをノイマンが月と表現して目指すかどうかは疑問である。
もっと言うと『5』では到達できる可能性があるどころか実際に作中で到達してしまう。
そのことから『5』より後にノイマンが生まれた可能性は低い。今作はやはり『5』より手前の物語なのだろうか?
どうしても他の可能性を考えるとしたら、『5』よりずっと後にカオスにより再度文明がリセットされた可能性だろう。
それでもユリアンがカルザス「王国」の王子なのでおかしいのだが。文明の再現が雑なだけ?

~大空を舞う帝国の翼~ コンスタンツァ・イアハルト(コニー)

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■性別:女  ■年齢:19歳  ■初期クラス:オルニソプタ(飛兵)  ■声:徳井青空
■職業:帝国軍技術士官実験部隊員

貧乏貴族イアハルト家の出身で、見た目に反してアレスと同年齢。
親としては長女のコニーにいい貴族と結婚して家を建て直して欲しいという願いがあったようだが
貴族の色々に馴染めなかったため家を飛び出す形で独立、
その後飛行機械の研究者だった叔父と同じ道を進み、戦いは嫌いだが技術士官として軍に入隊。
ガイアの門を飛び越え自由に行き来できる飛行機械を作るのが目標で、
努力と研究を重ね研究者兼テストパイロットをするという、立ち絵での気弱そうなポーズに反してバイタリティに満ちた好人物。
気が弱いと言われているがミシェルみたいなネガティブ思考ではなく、胸も露出も性格も控えめといった感じ。胸の小ささについて本人は大いに気にしている。そのときの自虐っぷりが熱い。
頭のいい人物であるためか会話は漢字が多く結構疲れる。
飛行機械の研究費を稼ぐために戦っており、ヘビーソプタにすると得られるスキルの「金欲」が設定を助けるいい味を出している。
恐らく何割かは趣味の白衣コレクションに流用されてる。

ここまでのことは光輝、闇ルートではまったくわからず、
敵として出てくれば装備がなければモブとあまり変わらない能力なため印象が薄く
敵としての登場回数まで多いからしゃべるザコ扱いされ、その上クリスに振り回されてろくな目にあわない。
特にver1.0では3人組の中で最速で自分から突っ込んで「やられましたー」するばっかりである。

しかし帝国、独立ルートで仲間になると大きく化ける。飛兵第5クラスまでいけるのだけでもアドバンテージだが、
告白スキルの「移動力+3」が狂った性能で、移動力がククリナイフなしでもカンストの10になる。
傭兵もクイックなしで8、クイックありだと10でバリスタの範囲外からですら部隊全員で突撃可能。
トワ師匠と違い最終的に防御が高めに伸びるため、突っ込んでも事故死が少ない。
当然告白スキルなのでアレスにも効果が乗り、
アレスがバリスタが雇えるなら軽業込みで移動力が本人10、バリスタ8+射程6というアホみたいなことになる。
バリスタがなくてもツーマンセルで突撃すれば基本的に自分から動かない敵は何もできないで爆発するばかりで、
魔術師系アレス以外ならほぼ一択といえるほどのスキルである。特に周回が視野に入っている場合は1周目で押さえておきたい。
アレスさんは私のスキルだけが目当てなんですね!いや、会話してみるとけっこう面白いキャラですよほんとに。機械オタク女子が好きな方におすすめです。

そんなこんなでヴェルナーの数倍強く、さらにガエアサルを修理できたり
飛空挺の操縦が得意な才女コニーを下っ端に甘んじさせていたり、
独立軍ルートではあっさりと手放してしまうグレスデン帝国、先が長くないのは仕方ない。
可愛い上に最強キャラの一角、仲間になるのも2ルートという恵まれたキャラだが、
それでも帝国軍には性能面の対抗馬がいるというのが恐ろしい。

ちなみにマークスマン(狙撃兵)にクラスチェンジさせると、
マップ上ではカイエダ氏がヨア用にデザインした、あのビームライフル風の銃を構えてくれる。緑色のライトがかっこいい。
しかしいざ戦闘アニメになると視認するのも困難なほど小さい金色の銃を使い、結局イラストは再現されていない。恐らく戦闘アニメでコニーが使っているのはデリンジャーだろう。

闇の勢力

三大陸のうち、東南にある「ヴェルゼリア」を拠点とする勢力。
紫色の大地が広がる独特な景観を持ち、デル・エトナール城が本拠地。
オープニングで帝国の方舟(エスペランザ)が表示される一枚絵の左隅に、さりげなくデル・エトナール城も映っている。

光輝にも帝国にも属さない第三者の集まりで、
主としてカオスやボーゼルの信仰者、ファンタジー世界でお約束のモンスター(今作では人型でないモンスターはOPアニメ以外ではドラゴンくらいしか出てこないが)、また一部の少数部族や犯罪者、それ以外に既存の社会(光輝や帝国)からあぶれた者たちも属している。
基本的に、光輝とも帝国とも敵対している。
光輝ルート8章でのトワ師匠の発言によると、所属を表す紋章を掲げたりはしないらしい。
勢力として一枚岩でもなく、そのあたりも影響しているのかもしれない。

今作では上記のようなはみ出し者の集まりという側面が強いせいか、
カオスやボーゼルの復活に熱心な者があまりいない印象がある。
実際仲間になるリコリス以外の闇勢力の指揮官キャラ6人のうち、
パツィル、レナ、ポリアル、ロナの4人はボーゼルとかカオスとかどうでもいいけどリコリスは大事というスタンス。
ボーゼル復活に熱心なケルティス、グスタフにしても、
ケルティスは別にカオスやボーゼルに信仰心を抱いているわけではなく、その方が世の中が乱れて愉しいからであり、
信者なのはそのようにプログラム?されたらしき機械のグスタフくらいである。
ルシリス教の狂信者っぽい人が多い光輝の人々とはえらい対照的。
メテオは使えなくなってるわ、信者は激減しているわ、パウルは何やってんだ。

見た目上は大陸だが、ゲーム内外で「ヴェルゼリア島」という名称で統一されている。
大洪水の際に他の大陸と繋がってしまったのだろうか。
ヴェルゼリア島とバルディス大陸、どちらからも離れた孤島がレイテルとなっている。

聖地レイテルは2及びデアでアルハザード覚醒に必要だったダークロッドがあった場所。
当時は周りは平原だったが、今作は洪水の影響か南極みたいになっている。

聖地レイテル、エルラード遺跡やヴェルゼリアの位置から
カルザスを含むヴェルゼリアより南のエルサリア大陸(『1』『2』『3』『5』の舞台)は沈んでしまい
シリーズで出てこなかったヴェルゼリアより北の大陸が残ったように見える。

戦闘アニメで闇軍のモブは、黒い兜と甲冑姿で出て来るが、一部の僧侶・魔術師系については
植物女のような専用の魔族キャラクターが登場する。見た目と声のギャップが凄まじい。

ラングシリーズにおいて、魔族は毎回後半からの登場であり、
それまでの敵に替わり真の黒幕的な立ち位置で現れるケースが大半だったものの、今作では冒頭から積極的に顔見せしている。
8章という早い段階で闇ルートへ分岐するので、闇の軍勢についても早めに紹介しておきたかったのかもしれない。
良くも悪くもこの構成により、30人ものキャラクターが序盤でいきなり全て出揃う。
中盤や終盤でどんな新キャラが出て来るのだろう…といった楽しみは残念ながら無い。
上記構成と会話システムのおかげで、台詞量にあまり偏りが出ていないのが良い点か。

カオス

今作では名前だけ登場する、女神ルシリスとは対極の役割を担う、破壊と混沌を司る神。
旧作での声優は笹岡繁蔵→渡部猛→佐藤正治。
ルシリス同様にシリーズの顔。主にヴェルゼリアに住まう者たちから信仰されている。

手段を問わず秩序を破壊する事で、世に進化と発展を促すことを目的としている。
よって純粋な悪ではないのだが、三つ目の骸骨に角がついた御尊顔はめっぽう恐く、見た目だけならもう完全に悪者。
旧作ではラスボスを務めたこともある。
シナリオ上、復活するや否やラングリッサーで叩きのめされるのがお約束だが、
神の名は伊達でなく、不死身に等しい存在。負けても威厳がある。

ルシリスが下界を基本的にはジェシカに任せているように、
カオスはボーゼルという者を代理人にしている。
ただしボーゼルは必ずしも一蓮托生の忠臣というわけでもなく、アルテミュラーのように己の野心を優先した者もいる。カオスの神としての役どころからか、それでも大きな差し支えは無いようだ。
単なる上司と部下の関係に収まらない点が、物語の深みを増している。

『ラング4』ではカオス以外にもゲンドラシルという悪役の邪神が登場。
ルシリスとカオス以外の神も存在するようだが、実力的には比肩していない。

ボーゼル

シリーズ通して登場する闇の貴公子。代々カオスに仕える者が使う称号のような物である。
旧作での声優はヴェルゼリアの国王は伊藤栄次。アルテミュラーとパウルは塩沢兼人。
簡単に解説すると『3』の前まではヴェルゼリア国王が名乗り、そいつが倒された後一時的にアルテミュラーがボーゼルになったが
最終的にはパウルがボーゼルになり(ここまで『3』の出来事)、その後『1』、『2』、『4』までの1000年間代わっていない。
※ラングリッサーシリーズは、時系列順に並べると『3』→『1』→『2&デア』→『4&5』。『5』のボーゼルはランディウスとの戦いを描いた回想シーンでのみの登場で、ボイスは『4』からの流用となっている。恐らく『5』発売前にボーゼル役の塩沢兼人氏が亡くなった為なのだろう。
ヴェルゼリア国王(禿頭のおじさん)がどれほどの期間ボーゼルを担当していたかは不明だが描写からするとそれなりに長いものだったように感じられる。一方、アルテミュラーの就任期間は極端なほど短い。そしてパウルの重用されっぷりがすごい。

大人の事情で中の人が交代するケースはラングリッサーシリーズでも時折あったものの、
ボーゼル(正確にはパウル)は『1』から一貫して塩沢兼人氏が演じていた。『1』の時点で二作目以降の詳細設定があったかどうかはさておき、氏が得意としていた「冷酷かつ狡猾な美形悪役」のイメージにぴたりと嵌っている。
『3』では初回から登場するライバルキャラ・アルテミュラーも演じられており、ファンへの意図的なミスリードも兼ねていたと思われる。

今までのボーゼルの簡単な特徴としては、

  • アルハザードがある限りある程度の年月を必要とはするものの何度でも蘇ることができる。
    • とはいえ常に万全の体調で居られるほどの不死性は持たず、作中で力を使い過ぎ弱ってしまうこともあった。『デア』ではそのタイミングで、彼を助けるか攻撃するかも選べる。助けると闇ルートに行ける。
  • 次のボーゼルが決まると先代の復活はキャンセルされる(お役御免に)。
  • 称号のようなものなので血の繋がりなどは関係ない。
  • ボーゼルになってもその前の記憶は残る。
  • 他者を洗脳し、自分の手駒とすることができる。
  • ジェシカとは当然の如く敵対関係にある。今作のジェシカ曰く「不倶戴天の敵」(独立16章)。お互い時代を越えて活動している身であり、『デア』(ラング2)ではちょうどジェシカの力が弱まっているときに暗躍していた。
  • 大変なカリスマ性を持ち、カオスの信仰者だけでなく、ボーゼルの信仰者も居るほど。ボーゼルが人を洗脳するのは、あくまで念のためだったり、どうしてもの必要があったり、本人が疑心暗鬼なせいだったり。
  • 魔物を使役できる。
  • 『3』で闇軍のラグが「アルハザードの認めたものを主とせよ。これは闇の一族の絶対の掟」と解説する。カオスのみならず、アルハザードが選んだ存在でもある。
  • ボーゼルの主目的は、アルハザードを元手に世界を乱し闇を氾濫させることだが、プレイヤーが闇ルートに進まない場合は毎度仮死状態まで叩き込まれ敗退している。作品によってはアルハザードが本人の手元に無い状態から始まることもあり、案外苦労人。
    • 手段として手っ取り早いのか、大抵の場合はカオス復活を目指している。シナリオ終盤は上司頼り。

という感じだろうか。
ひとまずボーゼルといえば大体は、就任歴(?)の長いパウル皇子のことを直接指すものと考えて差し支えない。
なお長いことボーゼルをやっておられるからか多く偽名を持ち
『4』では「魔術師フェアラート」、『パワー オブ ザ ハイアード』では「皇帝グノシス」と名乗ったりもしている。闇絡みで美形だったら正体はだいたいパウル。

もともとはラングシリーズ開始以前、別作品に登場していた悪役であるが、
それらの作品もラングシリーズの一端として正式に組み込まれているようなので
味方をさしおいて最多の登場回数を誇るキャラクターである。
当時の作品では、テキスト総量が少なくそれほど掘り下げも無かったが、
『3』で上述の通り出自が明らかになり、『4』では他者への気遣いができるなど人間的に成長した一面も見せている(本人は人間を辞めているけど…)。

『デア』と『4』で闇ルートに進めばボーゼルと共に歩めるが、それ以前に味方だったキャラクターの大半については老若男女問わず抹殺していくという、やたらにハードな展開となっていた。難易度的にもハード。生半可な気持ちでプレイすると心が折れるかも。
しかし闇ルートではボーゼル以外にも専用の仲間キャラが居たりもし、わざわざ遊ぶ価値は十分にある。
そして今作は闇ルートへ行ける選択肢が本編中に二度もあり、イベントの物量等を見ても闇ルートこそメインともとれる構成になっているのだが、ハードな展開を警戒し闇ルートを選んだプレイヤーは少なかったかもしれない…。

今作のボーゼルについては、これまでと幾らか事情が違っており、
本人不在という可能性もある(下記参照)。

ボーゼルの印(今作のボーゼル)

今作で追加された新ルール。
リコリスの身体に浮かび上がっているもの。見た目の詳細は不明。
ざっくりまとめると、

  • グレスデン帝国皇帝の直系の血族が持つ。なのでオウトクラト4世は持たない。
  • なぜかアレスは持たないが、リコリスは持っている。そのため兄を差し置いてリコリスが皇帝になる。(帝国18章)
    • アレスが印を持たない件について作中で特に説明は無い。考えられるとすれば、リコリスのほうがボーゼルの血をより強く受け継いでいるとか、実は異母兄妹なのか、とかだろうか。ただ、会話イベントを参考にする限り後者の線は薄そうである。
  • アルハザードの継承者の証である。
  • ボーゼルの印を持つ者はボーゼル候補であり、同時にボーゼルの人格(アルハザードが植えつけてくる人格?)を持つ。光輝24章や25章の発言を見るに、この人格はパウル皇子の記憶も持っているフシがある。ただし本人そのものかどうかは明言されていない。
  • 一時的に消えることがある。(光輝16章)
  • ボーゼルの印があってもラングリッサーは装備できるし、なくてもアルハザードは装備できる。
  • ボーゼルの印は分け合うことができる。その場合アルハザードの継承権を失う。(光輝最終章)
  • グスタフとの2回目の会話では、「ボーゼル様には器が必要」だとグスタフが語り、他にもボーゼル候補が居ることを匂わせる(その全員に印が浮かび上がっているのかどうかまでは不明)
  • 帝国においてボーゼルとは、帝国の始祖に連なる者であるという意味がある。(独立軍21章 クリス)

みたいな感じだろうか。追記あればお願いします。

旧作のルールに則るとパウルボーゼルが生きている間は他のボーゼルが誕生するとは考えにくいので
パウルボーゼルが倒されたときに仮死から復活するまで時間がかかるから
代わりにボーゼルになれそうな資質を持つものを探すためカオスが考えたシステムかもしれない。
もしくはパウルボーゼル自身による、自らの復活を擬似的に早めるための奇策だろうか。

そうなると今作の状況は
『パウルボーゼルが倒され平和になり、復活まで長い時間があるからと
 ジェシカ様は安心して転生したがあまり時間が経たないうちにアルハザードが発掘されてしまった。
 そのためジェシカ様はこんなお姿で戦うことになってしまった。』
という推測ができないこともないこともない。
そういう状況ならボーゼル不在なのでモンスターがろくにいないことや闇の勢力がリコリスを「闇の大地に降り立った希望」と表現したのもわからなくもないが、情報がまだまだ少ないのであくまで推測の域を出ない。

また、グレスデン帝国の皇帝の血族はボーゼルの印を持つためにアルハザードの継承者だ。と説明があるが
アルハザードを偶然発見したのがオウトクラト4世であり、
オウトクラト4世がアルハザードから得た知識で帝国を機械化させたことや、
アルハザードが初代皇帝~アレスの父までの間にあったら、そいつがアルハザードの影響でボーゼルになっているであろうこと、
そうすると闇の勢力も帝国の中にいると思われるが、実際は排他されていることから
初代からオウトクラト4世までに帝国にアルハザードがある時期があったとは考えにくい。
それなのになぜグレスデン帝国の皇帝の血族はアルハザードの継承者と言い切れて事実そうなのかはよくわからない。
この世界に『5』で出てきた強襲型魔光剣(アルハザード改にあたる別物)があれば少しは謎の解明の手がかりになったのだが。

これも推測でしかないが、建国した初代以降のどこかのタイミングでアルハザードが流出し、
国家の一大事になるからとそれを隠匿していた、という線なら有り得るのではないか。
わざわざ「帝国に伝わる由緒ある剣」という説明文のレア武器エンパイアブレイド(オウトクラト4世が戦闘中に使用する専用武器)がある理由として、これがちょうど強襲型魔光剣にあたるもの、世間向けにはアルハザードだと偽って公開していた剣なのかもしれない。
仮にこの推測が正しければ、本物のアルハザードを伴って現れたオウトクラト4世が民衆に受け入れられたのは、これまで帝国が歴史を偽っており、それを正したという事実の重さもあると思われる。実際には本人の素性もまた色々とアレではあったが。
それとエンパイヤブレイドが歩兵なら誰でも装備できるのがさらに混乱を増やすポイント。何気に性能だけなら聖剣級だがあまり特別な代物でも無さそうだ。式典などでもフェル本人しか触る機会を作らなければそんなものでもバレなそう。

話を戻すと、今作ではボーゼル人格としてリコリスが別人のように喋るときだけが、いわゆるボーゼル様の出番となっている。そして上述の通り、その語り口調等はパウルボーゼルを踏襲・彷彿とさせるものである。
あの彼が、あの御姿で出て来れないため、少女の姿でハッスルしているのだと考えてしまうと何だかもの悲しいが、光輝・帝国・闇ルートの終盤でそれぞれ出番がある。
若返りまくったジェシカとは全く異なるアプローチでの登場となっており、解釈の余地も広いのが幸い。
一応、リコリスの顔を怖くした専用の立絵もあり、表情にもバリエーションがある。

リコリスとの7回目の会話で「ボーゼルって一体何なんだ!?」を選ぶとほんのわずかだが会話できる。専用のパートボイスもある。正解選択肢なので、ドヤ顔決めながら、よりにもよって正解のシャララ音つきである。
自己紹介としては「私は…カオスをよみがえらせる者」、ここでもアレスを「光輝の末裔」と言い切っている。

~運命の混沌に翻弄される少女~ リコリス・ロヴィナー

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■性別:女  ■年齢:16歳  ■初期クラス:マジシャン(魔術師)  ■声:東山奈央
■職業:記載無し

アレスの妹。小さい時に帝国に誘拐されたところを闇の軍勢に助けられ、
ボーゼルの印を持つことからそのまま闇の盟主になる。
アルハザードの影響から黒い性格にたまになるが、基本的には心優しい普通な妹キャラ。
ボーゼルの衣装を女性向けにアレンジしたようなコスチュームがなかなかに挑発的だが、
作中で衣装面に関する評価は聞かれない。なお兄は悩んでいるようでした。

ネタバレを防ぐためか、職業の記載がされていない。しかしコスチュームの時点で隠す気が感じられない。
リコリスという名前からも、シリーズ一作目でボーゼルの側近を務めていたニコリスが彷彿とされる感じである。ただしあちらはオッサンだった。そして今作のリコリスは既に盟主の座にまでついているのだが、実力が低くマスコットとしての扱いに留まっており、実際の組織運営は他の幹部がやっている、というのが本編や設定資料集からも伺える描写である。

確認される中では4代目のボーゼル(候補)。
兄アレスが光輝の末裔らしいので、光輝の末裔兼ボーゼル(候補)という面倒な経歴。
そのため多分ラングリッサーが装備できる唯一のボーゼル(候補)。
シナリオ的にはアルハザードを装備させるのが正しい気がするものの、
兄アレスと聖剣と魔剣を取り替えっこしても特に問題はないので御自由に。

所詮候補だからなのか、メテオを覚えない。よって戦力としてはジェシカ様に159歩くらい劣る。
マスターサマナーで止まるので魔術の素養+擬似連続魔のできるルクレチア様にも47歩くらい劣り、
軍勢代表幼女組の中では最弱。クラスが大体マイヤとかぶっているのも痛い。
設定重視で、元が戦いをする人ではないからこんなもの、ということだろうか。
メテオの下位互換だけどトルネードが使えるウィザードで満足するか、
本職の戦士にはやや劣るが、僧兵の道を極めてアルハザードでぶん殴るプリンセスにするか。
今作は難易度が低いので、普通にクリアするだけならどうとでもなるが、
何度も周回してルーンストーンにまで手を出し始めると物足りなくなってくる感じである。

また告白で習得する固有スキルの「リジェネレート」(毎ターンHP3回復)も、鉄壁というわけではなく敵に魔法を連発されるとHP10から微妙に削られることもある。
ちなみに、ヒルダの固有スキルもリジェネレート。専用じゃあないんだ…
最前線で戦わせるしかないのでリジェネレートが役に立つヒルダとは違い、
リコリスは魔法がそこそこ強いし傭兵にも弓使いがいるので反撃される位置から攻撃することはあまりない。レベルが上がればそもそも誰からも殴られなくなる。完全に死にスキル。
アレスが覚える分には便利だが、ヒルダ相手でも覚えられるので妹の立場が無い。
妹相手に告白するというシチュエーションの妙で闘うしかねぇな。
フォローすると、ヒルダは帝国ルートでしか使用出来ないが、
リコリスは闇ルートだけでなく放浪(独立)軍ルートでも使用出来るので、周回し続けるぶんには会いやすい。
仲間にならないルートでも自軍入りし、戦闘中のイベントでは顔を出したりもする。
大体は友達感覚で闇軍の仲間であったキャラに話す程度だが、
帝国ルートでグスタフに投降を呼びかける際には、ボーゼルは居ないのだからあなたが戦う理由は無いと、なかなか聡い言い回しを使ったりもする。ちゃんと盟主っぽいカリスマも持ってた。

戦力的にはダメダメだし、
敵として出れば専用クラスのダークマスターと傭兵のダークガードの魔法で得られる経験値が多いのをいいことに魔術師系のレベル調整に使われる有様だが、
生い立ちからストーリー上ではかなり重要な位置におり、最終的に
光輝ルートではボーゼルの印をアレスと分け合いボーゼル候補失格、
独立軍では真アルハザードをポイしてボーゼル候補失格になる。
逆に帝国ルートではボーゼル兼皇帝になり真アルハザードの力で方舟を動かし、
闇ルートではボーゼルとして皇帝とリュグナーを始末し世界を平和にした上で
どのルートでもアレスと共に新たな世界へ旅立っていく。
さらに闇ルートではガイアの門を開き水没自体を防ぐことにも成功する。

自警団と知り合いであることから誘拐されたのはアレスがボルスレーヌに移り住んでからと思われる。
冒頭の「リコがいなくなった時と、同じ・・・!」というセリフから帝国はリコリスを誘拐したが
ラングリッサーとアレスには気がつかずに撤退していったことになる。バカバカね。
もしかしたらラングリッサーはまだボルスレーヌ以外のところにあったのかもしれない。
わざわざリコリスを狙うあたりはアルハザード絡みの件だったのだろうか。
最初に装備したのがラングリッサーであったりと、アレスはあまりアルハザード方面に縁が無い。

旧作でもアルハザードに人格を植えつけられることはあったが
その状態で前の人格を安定して保つことは歴戦の将軍アルテミュラーでも不可能だった。
アルハザードの悪影響を受けなかった人物は今までにもいたのだが
闇ルートでは悪影響を制御し人格を保つどころか意識を共有までできるリコリスは只者ではない。弱いけど。

全4ルート中、2ルートでラスボスを務め、そのときはボーゼルモードで襲ってくる。
帝国ルートでも敵対時に口調を使い分けるが、パウルが少女口調で喋っているとはあんまし思いたくないものである。逆にリコリスによる兄への精神攻撃だとしたら、ずいぶん妹も黒くなってしまったものだ。
そして、最後だから戦闘アニメもONにしてみるかぁと試してみると、リコリスはボーゼルモードだろうと仲間だったときの陽気な戦闘ボイスしか用意されておらず幻滅する。オプションで設定戻してそっ閉じ必至。

~人間を観察する女魔族~ パツィル

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■性別:女  ■年齢:不明  ■初期クラス:レイダー(歩兵)  ■声:たかはし智秋
■職業:魔族

ヴェルゼリアに所属する魔族の女性。エッキスァイティングね~が口癖。
トワ師匠の職業:放浪者よりは幾分マシだが、魔族って職業なのだろうか…。
とりあえず魔物・モンスターとかの意味ではなく、「闇の貴族」とかここではそんな感じの用法。
名前の語感と見た目の雰囲気は『ラング4』に出てきたボーゼルの部下リスティルに似ているが、ツノの向きが逆。
リスティルをもっと女王様寄りにしたキャラクターだが、戦闘アニメでダメージを受けると声の調子を大幅に変えてヘタれたりもする。

全裸にボディペイントだけのような刺激的な姿だが、
一応ゲーム内ではあれでも「服」と呼ばれている。どんな服だ。
アイコンでは胸元を見せないようにするためか、やけに顔の位置が下である。
もっと素顔をアップにしてくれてもいいのよ?

リコリスとは仲がいいようだが、ポリアル、レナ、ロナとはそれほど仲がいいようではないのか
家族という扱いにはならなかった。また、帝国最終章ではボーゼルとして覚醒したリコリスのお供としてケルティス、グスタフに混じり自軍の敵として登場し、NPCのレナとバトルしたりもする。戦闘で負けた際の台詞からしてパツィルの安否が心配。

リコリスのえちぃ服を作った張本人でもある。個別会話では兄としての苦悩が聞ける。

  • ボーゼルの復活よりもリコリスのことを大事に思っている
  • 人間とその生活に興味がある。
    • その影響かクラスチェンジが旧作の魔族と違い(半魔族だった『ラング2』のソニアは別)魔物名ではない。
  • グッドエンドでは実際に人間の中に溶け込み人間として生活する。
    • それはリコリスがボーゼルになる闇ルートでもならない独立軍ルートでも同じ。
      • 人と魔族の共存という、ラングシリーズおいては稀に見る綺麗な終わり方をしている。

というわけで純粋な魔族ではあるのだがシリーズの中の魔族でもかなり変わっている立ち位置。
発売前、ゲーム雑誌でのキャラ紹介では「カオスの復活を目指しているようだが…」などと書かれていた。言い切られていないあたり、やはりあまり本心で頑張ったりしないスタンスなのだろう。
また、人間たちの孤独感や絶望感から発生した存在であるという。そのあたり魔族っぽいが、それにしてはずいぶん本人の性格が陽気に感じる。

光輝9章の会話では、前にアレスたちのいた「砦」を襲ったこともあったらしい。
その時期にリコリスを助けたのだろうか、それとはまた別なのか、
それとも帝国8章と間違えたのかは不明。

戦力としてはパッとしない。加入時期が遅めな上歩兵なのに防御が薄いから育てにくく
闇では大体において同時に仲間になるリコリスの育成が優先されるであろうし、
独立では同時期に一気にメンバーが増える中の一人なので埋もれがち。
セルフヒールもできないので一度遅れると建て直しが厳しいのもマイナス。
一応専用クラスを持つのでミシェルとかより扱いはマシだが、それほど強いわけでもない。
むしろセルフヒールできるミシェルの方が戦力面では上。なんてこった。
ただまったく有利点がないわけではなく、歩兵(レイダー)であるから「軽業」を持つので
動かない魔術師やシュゼットさんが出てきたときに傭兵ごと一気に詰めて黙らせることができる。
残念ながらそれすらもクイック持ちのトワ、コニーがいれば無意味なのだが…。
魔術師ルートに進ませても序盤はMPが少なくて苦労する。ただし第5クラスまで用意されているので、大器晩成型。
好戦的だが残虐というほどでもない…といったキャラ設定を重視したのだろうか。
魔族ならではの個性が感じにくいのは残念なところだ。

個別スキルは「享楽者」。
楽しいこと大好きという彼女の性格をよく表しているが、効果はなぜか獲得資金アップ。
ジェシカ様は喜びそうだが、効果としては意図的に工夫しない限りは資金が99999周辺で止まることを考えると
アンセルの交渉術の方が隠しシナリオでアイテムコレクションするには確実に有利。
なんてこった(二回目)。

~古きボーゼルの従者~ グスタフ

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■性別:男  ■年齢:不明  ■初期クラス:コンジュラー(魔術師)  ■声:浅沼晋太郎
■職業:記載無し

かつてボーゼルの護衛を務めていたと、本人はそう認識している人型の自動機械。
今作で初登場した人物(?)である。
意外にも、グスタフも職業の記載が無い。
今作は、ケルティス・パツィル・グスタフの三名で「新生ヴェルゼリア三魔将」みたいな感じにはなっているのだが、当人があくまでボーゼルの側近という立場に拘るあまり、現在無職なのだろうか。

背丈はオウトクラト4世よりさらに高く、誰よりも背が高い。最も身長の低いポリアルの倍以上の身長があるように見える。
言動はもの静かで冷たい印象を受けるものの、機械だということを考慮に入れればむしろ人間味があるほうか。一方でレベルアップした際などは、コンピューター関連の用語を口走ったりするなど、他キャラクターとは一線を画した雰囲気を持つ。

ボーゼルを主君と崇める忠臣であり、彼のことを心から敬愛している。
その真摯かつ老練な物腰は、光輝軍のオディロンに通じるものもあるかもしれない。
未だにボーゼルがはっきりと現世に姿を現していないため、
ボーゼルの可能性がある人物と接触し、慎重に見極めを行っている。

本編での最大の活躍は、奪った列車砲ガエアサルを操り、帝国の式典会場に向けて正確無比な砲撃を行って見せたことだろう。皇帝本人に直撃していたらアルハザードがどうなっていたか分からないが、よりにもよって砲撃は皇帝の頭上を通り越すように放たれており、彼のすぐ目先に着弾させていた。もう数メートルずれていたら危なかったが……すべては計算通りなのだろうか。

ちなみにグスタフというと、現実世界でもドイツ圏などで使用されている男性名だが、
かつてドイツ陸軍が使用した世界最大の巨大列車砲も、
製造社会長の名をいただき「シュベーレ・グスタフ」と呼ばれていたりする。
自軍で実際に列車砲をぶっ放せるのはグスタフしかいないので、
上記イベントを受けてのネーミングなのかもしれない。

グスタフの容姿については、『ラング3』と『ラング5』に登場したヴェルゼリア三魔将の一人、死人使いのグロブにとてもよく似ている。
さらに初登場した際は白骨をもとにスケルトン兵士を生成するなど、まさにグロブ本人を彷彿させる特技を披露したりもする。
もはや正体は判明したも同然と思いきや、光輝ルート終盤でジェシカは、グスタフについてボーゼルの部下であると偽りの記憶を与えられた存在と解釈出来る発言をしており、さらにグスタフについて深く憐れんでいた。
個別会話でも植物を育てるのが目的として外の世界で作られたのだろうか、くらいしか見えてこない。
何者かに起こされた時に偽りの記憶(命令)を与えられた可能性があり、アレスもリコリス以外のボーゼルの存在の可能性を考えていた。
グスタフ本人はボーゼルに導かれていると思い込んでいるが、ボーゼルと名乗ったり、記憶を与えるだけなら他の者にもできるからだ。本来グスタフは、ボーゼルとは縁もゆかりもない存在であったのかもしれない。
いったいグスタフ本人の正体は誰なのか。ジェシカの知己で高ランクの魔術師となると人物は限られてきそうだが……それともやはりグスタフは間違いなくシリーズ初登場の人物で、旧作キャラとは何も関係無く、ジェシカは単にグスタフの過去を知っているだけ、ということなのかも。

クラスチェンジでは第5クラスとしてアークサマナー、もしくは専用のダークカーディナルになれる。
グスタフのレベルアップは他キャラと違い、失われた機能を修繕しているらしい。
ダークカーディナルはスキルが残念なことになっているが、アークサマナーならばルクレチアと同じくバンパイアロードを使って二回行動が可能。
単発最大火力のメテオは光輝サイドに譲りつつ、布石こそ必要だが状況によってはより強力な戦法がとれる最強召喚を帝国と闇の筆頭魔術師にもたせている。このように局所的な拘りが見られる点は今作の長所だろう。

グスタフは容姿からして悪役に使いやすかったのか、闇ルート以外のどのルートでも終盤の中ボス格として現れ、機能停止を思わせる台詞と共にやられてしまう。
ケルティス同様に闇ルートでしか仲間にできないので、たっぷり会話して損は無い。
美少女でもない色物キャラを案外掘り下げていてくれるのが侮れないところ。
後半の会話で不意に飛び出すジョークや気遣いがかっこいいぞ。
またグスタフとしゃべる時だけアレスのテンションが異常に高い(選択肢を間違い怒ったときの台詞やボイス「あぁそうかよ!!」「ちっくしょぉ!!」「やれやれだな!」など)。面白いので余裕があれば見てみよう。
告白イベントは、ロボットと青年が固い友情を結ぶといった内容で、描写も文も案外普通。グスタフはかなりイケメンに描かれている。CGだとグロブの面影ゼロ。

告白スキルは「精神集中」。マイヤと同じである。
違う点としては上にもあるとおり召喚のバンパイアロード。こちらも魔術師アレスと組んだ時に真価を発揮する。
ルクレチア様は燃費が悪い感じであったがグスタフは先に召喚してしまえば前線に行く前にはMPが回復しているという点で強い。
またアゲインを撃ちつくす3ターンの間に召喚分の半分は増えるためほぼ使い放題。
位置によってはアゲインのMPが残っていても再召喚でワープさせるなど贅沢な使い方もできる。
ファイヤーストームで止まっても特に不便を感じないため、頼りになる。

〜滅亡した竜使いの国の生き残り〜 レナータ・ミトラス・ドラゴニア(レナ)

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■性別:女  ■年齢:15歳  ■初期クラス:ワイバーンライダー(飛兵)  ■声:高橋未奈美
■職業:竜使い族の生き残り

帝国に滅ぼされた竜使い族の生き残り。
今作では全勢力とも、飛兵はモブも含めて女性が務める。何かしきたりでもあるのか。
レナは竜を女性化したような容姿をしており、耳や手や足を見る限りは明らかに人間ではない。
しかしシリーズには竜使い族の亜人というものが存在しなかったため
(ドラゴンライダー的なユニットはいたが、普通の人間だった)
会話の中で大陸の南の方の島に滅ぼされた故郷があったとまではわかるものの
いつ頃から現れて再興したとしてどうなったのかがまったく不明。
ポリアルの部族と違い会話を全部したとしてもシリーズ内での立ち位置がいまいち見えてこない不思議な一族である。『ラングリッサーミレニアム』には亜人が多く、有翼人種も登場していたので、そのへんにルーツがあるのかもしれない。
上記とは全く関係無いが、竜関連のキャラで名前がレナという組み合わせ、何かを狙っているような気がしないでもない。

帝国軍に襲われた影響から人間が嫌いになっていたものの、アレスとの会話を繰り返す中で克服されていったらしく
トワ師匠に上手に飛ぶ方法を教えてもらったり、エルマの料理が好き(特にデザート)と結構自警団メンバーと打ち解けていたようだ。アンセル?
なお昔ストーカー被害にあったこともあるらしく、可愛いという言葉を嫌っていたりする。

バックボーンが謎だが本人は帝国ルートでは最終決戦でリコリスの為に
それまで憎み敵対していた帝国の手伝いをし、
さらに今までの仲間に対して刃を向け命を懸けるという見せ場があり
闇や独立軍ではポリアル、ロナ、リコリスとの関係を見せてくれるので、作中では優遇されている方。
この3つのルートではリコリスと共に旅立ち、ポリアルやロナたちの協力もあり国は再興したようだ。
ただし光輝ルートではヴェルゼリアでの戦い以降まったく姿を見せなくなり、生死不明。

敵としての能力は、出てくる時期が早いのと後半では出てこないため弱く印象に残らない。
しかし帝国ルート最終章ではグスタフ・ケルティス・パツィルさんまでは1対1で勝てる他
ボーゼルともいい勝負で治療により決着がつかないレベルの強さを見せる。
味方では魔法に結構強いのと防御があまり低くないため使いやすい。
各勢力で仲間になる飛行系第5クラスになれる人の中では唯一クイックを覚えない、
行動順番が妙に遅いという欠点もあるが、それほどは気にならないだろう。

シリーズの伝統であるモンスターが殆どいない中、
召喚ユニットとはいえドラゴンが使えるのは大きな魅力。絵も専用である。
どうせ飛兵キャラが乗ってるあのヘンテコなやつから乗ってるキャラ消しただけでしょ
と思いきや、とてもこのゲームのキャラとは思えないほどの、
二段階くらいモデルのクオリティが高いルブルムドラゴンっぽいやつが現れる。正直浮いてる。

固有スキルは「不屈」。
防御力があまり硬くないので有用ではあるが、シュゼットさんほど脆くないのでやはり微妙。

~混沌を望む微笑みの芸術家~ アンドレイ・ケルティス

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■性別:男  ■年齢:39歳  ■初期クラス:ダークセンチネル(槍兵)  ■声:柳田淳一
■職業:元画家

ただの人間でありながら、闇軍の指導者の立ち位置に居る男。
その立ち位置のためか、グスタフと同じく3ルートで死亡と死亡率は皇帝の次に高い。
グスタフと違い誰かが死を悲しんでくれるわけでもなく、やられた時の台詞も独立軍ルートではギャグのようなものだったりと、どうにも扱いがぞんざいである。旧作だと名前ありのモブがやられる程度の描写。

他のキャラと違い、珍しくファーストネームではなくラストネームのほうで呼ばれる。
特に理由があるようにも思えず、単に呼びやすさだけのようだ。

設定面ではリュグナーに通じるものがあるが、ケルティス本人が生粋の戦士であり、より多くの血と戦いを求めて指導者(軍師)をやっているという、こちらはかなり設定を盛られたキャラクターになっている。設定資料集の職業欄にはどうか現職の実態も書いてあげて欲しい。
シナリオ本編で軍師っぽいこともちゃんとやっており、『4』の天才(魔)軍師アイヴァー様を超える天才…と書くと彼を知るファンにはあまり凄いように聞こえないだろうが…他の幹部キャラに明確な元ネタがあるのを踏まえると、ケルティスのオマージュ元は恐らくアイヴァー様なのだと思われる。

戦災孤児で元画家ということだが、画家にしては異様に強い。有名貴族のもとで絵を描いていたこともあるそうなので、絵の内容はさておき確かな画力を持っているのだろう。ゲーム中に実物を見る機会が欲しかったところである。

闇21章に備えてなんとなくデスランサーにしたくなるところだが、歩兵のオーバーロードにしても
ポリアルより速い行動速度とククリナイフ、高めの能力によりとても強い。悩ましい。
縛りプレイの際はいよいよ選択が難しくなる。
敵に歩兵が多く、常にサポートをつけないと槍兵のまま育てていくのはかなり厳しいが、後半はしっかり報われるのだ。

趣味は、他者の死に様を記録した「断末魔手帳」をつけること。
断末魔手帳に追加してあげます、というパートボイスまである。恐い。
告白スキルも「狂気」とは分かりやすい。
会話イベントでは、一見普通そうだが普通じゃなかった、というオチが多い。
なお、選択肢を間違えると肝心のオチが分からないイベントも多いので注意。
セーブロードしてでも見る価値はあり。

本人は芝居がかった大袈裟な言動を好んでいるため、快楽殺人者といった趣きである。
年齢的にはオッサン枠なのだがあまり年を感じさせない。
それでいて自制の効く一面もあり、まさに闇軍幹部に相応しいスタイルをもった人間。
ケルティスは作中の言動からして、モブ兵についてはどんどん殺しているようだが、誰かに制止されたり、ことの次第では敵を見逃したりもする。特に闇18章では、口ではいろいろ言いながらも結果的にはポリアルの意思を尊重していたりと、大人な対応もしたりする。会話の中でも、常に自分に酔ってる自称天才軍師アイヴァー様と違い、自分が狂っていることを自覚している節もあり、その上でそんな自分が大好きという、バランスやシステム的には残念なきらいのある本作のキャラゲーとしての魅力を存分に味わえる味のあるキャラクターで、正解時の会話のオチのアレスの解釈とのギャップも面白いため、唯一仲間になる闇ルートでは是非積極的に会話してもらいたいキャラクターである。告白成功時のCGもアンセル以上にネタに走っている印象。

今作のキャラクターは、自軍に迎えると逆に活躍イベントが描かれなくなるというキャラも居る中(ルクレチア様とかヴェルナーとか…)、ケルティスは闇ルートでこそたっぷり台詞や見せ場が用意されている。ストーリー本編での活躍が描けているほう。
敵として出ると先述の通りぞんざいな扱いのまま退場してしまうので、ケルティスが多少なりとも気になるなら闇ルートへ進もう。旧作の闇ルートほどは悲惨な展開もないのでなかなか痛快。

今作の闇軍には「レイテ軍」という正式名称があると設定資料集には書かれているが、
悲しいことに作中では字面がまったく登場してこない。
組織運営はケルティスが率先して行っているようなので、ケルティスの命名なのかもしれない。

~一族の誇りを背負う巫女~ ポリアル・イテリメ

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■性別:女  ■年齢:16歳  ■初期クラス:ヘラルド(僧侶)  ■声:久野美咲
■職業:少数民族の巫女戦士

少数民族出身の巫女。プライドが高いが素直で、優秀な上の姉兄がいるという共通点もあり性格は今作のクリスに似ている。ただしエルマ級に怒りっぽい。
旧作の感じだと名前は「ポー・リアール」とかになりそうなものだが、部族の中でも色々あったのだろう。

古風な部族スタイル、鹿を模したと思われる頭飾りと靴、
そしてルシリス、カオスとは違う自然界の精霊に対する信仰と、
『ラング1』〜『ラング3』に登場した「シカ族」を彷彿せずにはいられない。
そして公式ツイッターでも急にシカ族を振り返る発言があった。
何かしら繋がりがあるのは明白と思われるが……
とりあえず彼女は平時からシカー!!と叫んだりはしません。

眩し過ぎるドヤ顔、凹凸の無い御身といい、これぞロリ中のロリといった感じの容姿である。
しかし年齢は16歳。これでも帝国の魔女(14歳)よりは年上である。
この作品に登場する人物は、みーんな14歳以上だよお兄ちゃん!
『ラング3』のティアリスなど11歳であった。設定だけなら実はそんなにロリではない。

次期族長として見聞を広めると言う名目で外に飛び出したものの、特に行くあてもなかった所で
部族の集落の近くにデル・エトナール城があったため、闇の軍勢に参加したようである。
『ラング3』の時点では部族の拠点はヴェルゼリアからは結構南側に遠かったので、水位の上昇と共に北上したのであろう。
部族の色々についてはロナが語るほうが多いのでそちらで。なお服は部族の仕立屋が作ったらしい。
リコリスの服についての悩みは相談に乗ってくれていたが、パツィルさんとセンスがあまり変わらないと言われた時には激怒していた。
ロナと違いケルティスとは仲がよくないらしく、パツィルさんともそれほど仲がよい様子もない。
特にケルティスからは、18章でポリアルが独断でツバメを見逃した際に「また寝返りですか?(貴女を)殺しちゃっていいんですか?」と剣呑に詰め寄られたりもしている。今作で光輝軍を手助けした件についてだろうか。ポリアルはケルティスを突っぱね、彼からの糾弾はそこで打ち切りになる。

レナ、ロナ、リコリスがいるから闇の軍勢にいるという感じであり、実際独立軍ではリコリスが抜けたために一緒に行くことになり、帝国ルートでもリコリスの説得で投降した感じである。
最終決戦で離脱した後は不明だが、レナと一緒にリコリスについていったのであろう。
光輝ルートではレナと一緒にフェードアウトし、消息不明。
癒しの能力は母親譲りのものらしく、怒ると怖いのも母親譲りであるらしい。
15回目の会話の流れから最終的にはレナと一緒に部族ごと新しい世界に行くことを選んだらしく、
占い家業の傍ら竜使いの国の復興を手伝ったようだ。
戦闘力としては全体的に飛びぬけて強いキャラがいない闇勢の中ではまあまあいい方。ヒールのできるニンジャマスターとしてククリナイフを持つのが強いと思うが、コンキスタにしても弱いわけではないので好きなほうを選ぼう。

闇ルート最初のほうで難民を抱える光輝軍を助け、後半では負傷者を連れ逃走中のツバメを見逃したりと、義侠心から他勢力を助けることが二度もある。光輝軍を助けた際は顛末について妹のロナから若干呆れられており、設定資料集に書かれているキャラ紹介文がポリアルとロナで逆なのではと思えなくもない。ええ娘や。

撤退無しEDでは次期族長候補(自称)なのにロナが族長になり本人は占い師になるが、初期の会話で次期族長候補(自称)なのに旅に出ている理由をアレスに問われて慌てる辺り、やはり族長としては少々思慮が足りないと部族から見られていたのかもしれない。闇ルートどころか全キャラクターの中でも屈指のいい娘なのだが、やはり優し過ぎて為政者には向かないのだろう。

告白スキルは「地形適正」で、効果は全ての地形適正が10%上昇するが、正直だからなんだという感じである。
レベルが上がりきると残念ながら不要になってしまう告白スキルは数多いが、これはレベルが上がりきる前から使いどころが思いつかない。厳しい。

そもそもたった10%という数値では効いているのかどうかすら実感できないぞ!
今作の他の補助スキルも、まさか軒並みこんな上昇量なのだろうか…。ステータス画面では整数しか表示されないが、小数点以下まで内部的にはもっているとするなら、0.9から繰り上がって1.0となって効果が反映されるケースもあるのかもしれない。どのみち効果を実感するのは極めて困難だが…。

~愛らしさを振りまく部族の戦士~ ロナ・イテリメ

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■性別:女  ■年齢:14歳  ■初期クラス:ホースライダー(騎兵)  ■声:茅野愛衣
■職業:少数民族の戦士

ポリアルの妹。ロナも旧作の感じだと名前が「ロ・ナ」とガンダムのマ・クベみたいな感じになりそうなものだが、そうでもないようだ。
ポリアルと比べると性格は幾分落ち着いており、身長も少し上。しかし同様に貧乳。
衣装もよく似ているが、ポリアルに比べると頭飾りが短く、羽飾りの数も少ない。
姉のものもそうだが、羽飾りは糸も何も無しで服に付いており、魔力か何かで浮かせているのかもしれない。ポリアルのほうが魔力に優れるから数が多いのだろうか。
アクセサリは自分達で作っているという会話もあるため、ポリアルほど上手に多く作れないという可能性もある。

また、姉よりも耳が短い。ロリボディに圧倒されて目が行きにくいが、ポリアルの耳はファンタジーに登場するエルフの如く長い。それに比べるとロナは人間に近い耳の長さになっているが、姉妹は人間ではないのだろうか。まさか頭飾りも天然で頭から生えているものなのか…?
旧作では『デア』のソニアが肌の色も耳の形も似ていた。ポリアル姉妹の一族も、ちょうどソニアのように魔族との混血がどこかであったのだろうか。

なおロナとの会話で得られる部族の情報は、

  • 部族の名前は「大いなる蹄」。すごく昔は蛮族として人間を襲ったらしい。なおシカ族の部族名は「シカデスヤン(民族)」。
  • 流暢に会話する。シカ族は片言だった。
  • 上述の通り耳が大きい。シカ族はモブを見てわかる通り耳は普通。リーダー格は耳が長いように見えるが、仮面。
  • 7回目の会話によると部族は長生きで、公称年齢は14歳だが「年齢は秘密、アレスさんより長く生きているかも?」と言う。それじゃ今作のジェシカ様のような系列ではないか!ロリ好き涙目。
    • ポリアルとの16回目の会話では家系のかなり上の方までご存命なさっている。
  • 傷だらけで倒れていたレナを助けたときも最初は部族に受け入れられなかったが、ポリアルとロナの説得により家族の一員として認められ、3人で部族の代表として戦うくらいに溶け込んだようだ
  • 部族としては外との交流を基本的に禁ずる方針があり、その反動かロナは人当たりがよく色々な人と関わる。
    ポリアル、レナ、リコリスの他にも自警団全員と関係ある会話が一回はあり、方々でひどい扱いのアンセルとも散歩したり肩車をしてもらう仲であったようだ。
    • なおシカ族は『1』や『3』では結構外に出張っていた。『3』では主人公の助っ人に勇者ド・カーニを出してくれたりもする。
      • そんなわけで不用心だからかポリアルには過剰なレベルで心配されており、トイレに行くのすら報告しないといけないようだ。
  • お祈りや儀式の時は、変な仮面をつけて謎の言葉を言う。内容は恥ずかしいので秘密。

というわけで、レナと同じく今までのシリーズには出てこなかった少数部族なのだな、という感じに思うのだが、
意外なところでなんとケルティスの会話から「ロナのご先祖の勇者が勇者、火、恐れない!と言った」という情報が飛んでくる。
これは上にも書いた、『ラング3』にて仲間になる条件がバッドエンド確定という特殊な事情のせいで一部の人に不人気な勇者ド・カーニ氏のセリフである。
『4』以降でシカ族が出てこないのは今作で新世界に旅立ったからなのかな、という謎の納得はできなくもないのだが、上に書いた理由でシカ族とはあまりに差異があるため混乱する。
そういえば今作では『ラング2』、『3』、『5』と『パワー オブ ザ ハイアード』、『グローランサー』でも登場する、敵勢力伝統の火攻めシナリオがなかった。
シカ族の女性が今まで出てこなかったというのも大きい。まあシカ族の女性は戦場に出てこないだけで、これまでも存在はしていたのだとは思われる。
ポリアルの言う家系が続くくらい長生きする部族なら、『ラング3』の酋長ケー・ツカイロがソフィアとのことを長く語り継ぐ気がするので、一族が『ラング1』で野盗紛いのことをするのはほんまかいなって感じもする。
まさか、「変な仮面」呼ばわりされているものはシカ族のあの仮面で、あれをつけると片言になり「シカー!!」とか言いだしてしまうのだろうか?この推測が正しいかどうかはさておき、『ラング1』では一族の中でもはみ出しものの凶悪集団ばかりが作中に登場していたのかも。シカ族への熱い風評被害であった可能性。
とにかく、今作のポリアルとロナは良い娘なのである。いや、ロリBBA?

エンディングでロナは部族長に抜擢される。クリスと同じく上の兄姉をすっ飛ばしての大躍進でポリアルの立場がないが、
その権限でレナの移住とかを手伝ったり外の世界に行ったのではないかと思われる。
戦力としては闇軍の騎兵ということで、ロザリアや帝国のヴェルナー達への文字通り対抗馬となる。
ある程度育てれば、ケルティスに頼らずとも敵を蹂躙できるようになる。
とはいえペイルライダーにするならレナの方が強いし、オーバーロードにするならケルティスの方が強いため微妙。
父親に男の戦士と同じように厳しく育てられたとはいえ、リコリスと同じく元々は戦いが嫌いなので仕方ないのかも。

なお、撤退ありのバッドエンドだと、他キャラと違い死んだり行方不明になったりはしないものの、生涯引きこもりになる。これはこれで辛いし、何となくそういう姿が連想しやすいのもまた辛い。この手のエンドって身内にも見捨てられてる感が…。ロナの二回目の強制出撃となるステージではとてもやられやすいので、一周目からこのエンドを見るのが嫌なら敵AIがヘマをしてくれるよう丁寧に立ち回ろう。下手したらこれが今作の最難関かもしれない。

告白スキルは「地形適正」で、ポリアルと同じ。
前に出るからポリアルよりは有用かもしれないが、やはり使いどころがない。
こんなんでもまだ「オールキャンセラー」よりは効果が出ていそうである。